
サンフランシスコの沖合にひっそりと浮かぶアルカトラズ島は、脱獄不可能という悪名をもった元連邦刑務所として知られ、世界中から年間150万人以上が訪れるといわれる人気観光スポットです。
この記事では、アルカトラズ島の歴史・見どころから、チケットの予約方法・当日券やツアー情報まで、現地の情報を交えてご紹介します。実際にサンフランシスコからどうやって行けばいいのか、予約は必要か、当日でも観光できるか、料金はいくらかなど、観光するなら知っておきたい情報をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
アルカトラズ島を観光するなら、移動と観光がセットになった現地ツアーを比較して選ぶこともおすすめです。バイマトラベルでは人気ツアーをまとめて確認できるので、ぜひ気になるプランをチェックしてみてください。
アルカトラズ島とはどんな場所?歴史と基本情報

サンフランシスコの沖合わずか2.4キロメートルの場所に、小さくも存在感のある島が浮かんでいます。それがアルカトラズ島です。ウォーターフロントエリアのピア(浅橋)から目視できる距離にあり、かつて絶対に「脱獄不可能」と恐れられたアルカトラズ島は、現在では年間150万人以上の観光客が訪れるサンフランシスコ屈指の人気スポットです。
島の名前はスペイン語でペリカンを意味するアルカトラセス(Alcatraces)が由来です。1775年にスペイン人探検家が上陸した際、大量のペリカンが生息していたことから名付けられました。
1848年のゴールドラッシュでサンフランシスコが急成長すると、アルカトラズ島には湾を守るための灯台が建設されます。1853年には軍事要塞へと姿を変え、南北戦争の時代にも軍の監獄として利用されていました。
そして時代が20世紀に入ると、いよいよ本格的な刑務所島としてアルカトラズが整備されていきます。
アルカトラズ連邦刑務所が正式に開設されたのは1934年のこと。1963年に閉鎖されるまでの29年間にわたり、アルカトラズ島はアメリカ中の凶悪犯を収容する鉄壁の監獄として機能していました。閉監まで約1500人以上の受刑者が収容されていたと言われています。
現在、アルカトラズ島はゴールデンゲート国立保養地の一部として国立公園局が管理しており、歴史的建造物として保存されています。
世界的なギャング「アル・カポネ」も収容された連邦刑務所

アルカトラズ島は、世界的な犯罪者が収容されたことでも知られ、また脱出不可能と呼ばれた監獄島からの脱出劇をめぐるエピソードでも有名です。
受刑者のなかには、ギャングの帝王アル・カポネ、「マシンガン・ケリー」の異名を持つジョージ・ケリー、そして「アルカトラズの鳥人」として知られるロバート・ストラウドといった、悪名高い受刑者たちも含まれ、島の独房に閉じ込められていました。
脱獄を試みた受刑者は36人おり、そのうちの多くが射殺されるか、海の中で溺死しています。島の周囲を取り囲むサンフランシスコ湾は、潮流が速く水温も低いため、泳いで脱出することは現実的には不可能とされていました。記録によると、脱獄は全部で14回行われたとのこと。
唯一、1962年のフランク・モリスらによる脱走事件だけが「脱獄成功」とされています。正確には、フランク・モリスを含む3名で脱獄を試み、自作のいかだで島を脱出、その後の行方不明。アルカトラズ島の周囲は海流が非常に早く、海水も極寒のため泳いで渡ることは不可能とされており、一説によると脱獄は成功したけれど、島の対岸までは到達できなかったのではとも言われています。
脱獄者の生死不明というミステリアスな脱出劇は、クリント・イーストウッド主演の映画「アルカトラズからの脱出」のモデルになったことでも有名です。
アルカトラズ占拠事件でも有名

実は、アルカトラズ島には日本人はあまり知らない占拠事件の舞台にもなっています。1969年から1971年にかけて、「インディアンズ・オブ・オール・トライブス」というアメリカ先住民の活動家グループが、アルカトラズ島を約19ヶ月にわたって占拠したのです。
彼らは先住民の土地返還を訴え、島に「INDIANS WELCOME(インディアンよ、歓迎する)」というスローガンを書き記しました。現在もこの文字の痕跡が島のいたるところに残っており、見学の際には必ずその場所を通ることになります。
「なぜ刑務所なのにこんな文字が?」と思うかもしれませんが、それはアメリカの公民権運動の歴史が関わっているからで、アメリカという国の複雑な歴史が凝縮された場所にもなっているからです。
【2026年最新情報】アルカトラズ島が刑務所として再開?観光への影響はある?
2026年現在、サンフランシスコを代表する人気観光地アルカトラズ島ですが、実はトランプ大統領が刑務所として利用を再会する旨をSNSで発言したことでも話題です。
ことの発端は、2025年5月にトランプ大統領がSNSで発信した内容で、アルカトラズ島を「大幅に拡張・再建し、危険犯罪者を収容する刑務所として再開するよう」指示したと表明。
実際、アメリカ政権は2027会計年度予算案で、アルカトラズ島を刑務所として再建するための初年度費用として約1億5,200万ドル(約240億円)が計上されています。
そこで気になるのが、アルカトラズ島は今後観光できなくなるのか?ということですが、2026年5月時点でアルカトラズ島は通常通り観光地として公開されています。フェリーや現地ツアーも通常運営されており、現時点で観光客への大きな影響はありません。
ただ、なにが起きるかわらないのがトランプ政権でもあります。今は通常通り観光できますが、将来的に状況が変わる可能性もゼロではないです。なので行けるうちに観光しておくこともおすすめす。
なお、刑務所再開案については、島内には十分な上下水道設備がなく、電力や物資の多くを船で運ぶ必要もあり、そもそもアルカトラズ刑務所は、維持費が高すぎるという理由で閉鎖された歴史もあります。専門家の意見によると、この案は懐疑的にみられていて、現時点では「実現の可能性は高くない」とされています。
アルカトラズ島の観光はツアー参加が必須

サンフランシスコ観光の定番でもあるアルカトラズ島ですが、実はふらっと観光することができず、島内に上陸して観光するにはツアーの参加が必須です。かつては脱獄不可能と呼ばれた一方で、現在は入島して観光することが難しい場所になっています。
アルカトラズ島にわたれる唯一のフェリーは、公式フェリー運航会社は「アルカトラズ・シティ・クルーズ(Alcatraz City Cruises)」です。国立公園局公認の独占となっているので、ここ以外にアルカトラズ島へ上陸する手段はありません。
チケットにはフェリー往復代と島内のセルハウス見学料、日本語対応オーディオガイドのレンタル料などが含まれています。
アルカトラズ島の観光ツアーは、大きくわけると以下の4種類です。それぞれ詳しく見ていきましょう!
- 日帰りツアー(Day Tour)
- ナイトツアー(Night Tour)
- アルカトラズ&エンジェル島コンボツアー(- アルカトラズ&エンジェル島コンボツアー(Early Bird Tour))
- 舞台裏ツアー(Behind the Scenes Tour)
デイツアー(Day Tour)|初めてのアルカトラズ観光におすすめの定番プラン

アルカトラズ島観光でもっともスタンダードなのが「デイツアー(Day Tour)」です。毎日催行されており、フェリーは朝8時40分頃から午後3時50分頃まで、約30分おきに出港しています。
所要時間はおおよそ2〜3時間が目安ですが、帰りのフェリーは自由便となるため、島内をゆっくり見学したい方にも向いています。
料金は2026年時点で大人47.95ドル前後。往復フェリー代に加え、実際の元囚人や看守の証言を聞きながら巡る日本語対応の音声ガイドも含まれています。
昼間は視界も良く、サンフランシスコの街並みやゴールデンゲートブリッジを海上から眺められるため、フェリー移動そのものも人気の観光体験になっています。
初めてアルカトラズ島を訪れる方や、ツアー選びに迷っているなら、まずはデイツアーの参加がおすすめです。
ナイトツアー(Night Tour)|夜景と監獄の不気味な雰囲気を味わえる人気ツアー

アルカトラズ島観光の中でも、実はとくに人気が高いのが「ナイトツアー(Night Tour)」です。通常は火曜日〜土曜日を中心に催行されており、春〜秋頃は17時55分、18時30分、19時10分前後にフェリーが出港します。
料金は2026年時点で大人59.65ドル前後。デイツアーよりやや高額ですが、そのぶん特別感のある体験ができます。
最大の魅力は、夜の刑務所という独特の空気感です。日中とはまったく異なる静けさと薄暗い照明によって、かつての刑務所としての不気味さがよりリアルに感じられます。
さらに、帰りのフェリーから眺めるサンフランシスコの夜景も圧巻です。ベイブリッジやダウンタウンの光が海面に映り込み、昼間とは違うロマンチックな景色を楽しめます。
「せっかく行くなら特別な体験をしたい」という方には、デイツアーよりナイトツアーの満足度が高いという声も多く、非常に人気があります。
アルカトラズ&エンジェル島コンボツアー|湾内観光も楽しめるプラン
アルカトラズ島観光に加えて、サンフランシスコ湾の自然や歴史もあわせて楽しみたい方に人気なのが「アルカトラズ&エンジェル島コンボツアー」です。
まずは通常のアルカトラズ島ツアーと同様に、フェリーで監獄島へ向かい、セルハウス内部や独房エリアを見学。その後、さらにフェリーでエンジェル島へ移動し、島内観光を楽しめる構成になっています。
エンジェル島は西海岸のエリス島とも呼ばれる歴史的な島で、かつて移民施設として利用されていた場所です。現在は自然豊かな州立公園となっており、サンフランシスコ湾を一望できる絶景スポットとしても人気があります。
ツアーには島内トラムツアーが含まれている場合もあり、広い園内を効率よく観光できる点も魅力です。
所要時間はおよそ5〜5.5時間ほど。通常のアルカトラズ観光よりも滞在時間は長くなりますが、そのぶん監獄観光+湾内クルーズ+自然観光を一度に楽しめるプランとなっています。
「せっかくサンフランシスコ湾を巡るなら、アルカトラズだけで終わらせたくない」という方にもおすすめのツアーです。
舞台裏ツアー(Behind the Scenes Tour)|非公開エリアに入れるツアー
より深くアルカトラズ島の歴史を体験したい方に人気なのが、「Behind the Scenes Tour(舞台裏ツアー)」です。こちらは火曜日〜土曜日の夕方限定で催行される特別ツアーで、通常のナイトツアー内容に加えて、一般非公開エリアへ入場できるのが最大の特徴です。
料金は2026年時点で大人104.65ドル前後。アルカトラズツアーの中では最も高額ですが、そのぶん内容も圧倒的に濃くなっています。
通常ツアーでは立ち入れない地下通路や旧シャワールーム、秘密エリアなどを、少人数グループで専門ガイドとともに巡る構成となっており、歴史好きにはたまらない内容です。
また、Behind the Scenes Tourにはナイトツアーも含まれているため、昼・夜両方の魅力を一度に体験できる豪華なプランとも言えます。所要時間は4〜5時間程度を見込んでおくと安心です。
ツアーの所要時間と観光の流れ

観光にかかる時間はツアーの種類によって異なりますが、フェリーの移動時間を含めた総所要時間は日帰りのデイツアーで2〜3時間が標準的な目安です。
フェリーはPier33からアルカトラズ島まで約15〜20分で到着します。島に着いたら国立公園局のレンジャーから簡単な説明を受け、その後はオーディオガイドを借りて自由に散策します。
帰りのフェリーは時間指定がなく、9時から18時30分まで約30分間隔で運行されているので、自分のペースで滞在時間を調整できます。島内の徒歩一周は30〜60分程度で可能な小さな島ですが、セルハウス内の見学時間も合わせると、余裕を持って3時間ほどを確保しておくことがおすすめです。
注意点としては、最終便を見逃すと島に取り残されてしまうため、帰りの最終フェリーの時刻は必ず確認しておきましょう。島に上陸したらすぐ、桟橋近くの看板に当日の最終便スケジュールが掲示されているので、写真を撮っておくと安心です。
アルカトラズ島チケットの予約方法|当日券は取れる?

アルカトラズ島は年間を通じて世界中から観光客が訪れるため、人気の日程はあっという間に予約で埋まってしまいます。特に夏休みシーズン(7〜8月)や週末は、2〜3か月先まで予約がいっぱいになることも珍しくありません。
旅行の日程が決まったら、できる限り早めに予約を確保することが重要です。一般的な目安として、旅行の1〜3か月前、遅くとも1か月前には動いておくと安心です。
公式サイト(alcatrazcruises.com)からの直接予約が安く、予約手数料や取扱手数料もかかりません。最大90日前から予約が可能で、チケットの払い戻しは出発時刻の72時間前まで受け付けています。予約が正しく完了すると、登録したメールアドレスに確認メールと24時間以内にQRコードが届きます。当日はスマートフォンにQRコードを表示させるだけでOKで、紙の印刷は必要ありません。
ただ、公式サイト予約だと、ツアーとセットで水やホットドッグといった軽食(高い)の抱き合わせ販売もあり、正確に予約できているか不安になるポイントは多いです。それこそ登録したメールアドレスになにか手違いがあり(通信エラーやアドレス登録のミスなど)、QRコードが届かなかった時は自分でトラブル対応が必要です。
また海外サイトにクレジットカード登録も必要になるので、カード情報の流出をはじめ、セキュリティ面からカード情報を海外に渡したくない方は、慎重になる注意が必要です。
もし日本語で安心して手配したい場合や、サンフランシスコ市内観光とセットで効率よく回りたい場合は、バイマトラベルのツアーを利用することもおすすめです。
日本語対応サポートがメリットなことはもちろん、公式サイトが満席の日でもセットツアー枠で空きが残っているケースの確認、旅行スケジュールにあわせたアルカトラズ島観光の手配など、現地ガイドならではサポートや相談を受けられることもポイントです。
当日券・ツアー当日参加について
直前になってやっぱりアルカトラズ島を観光したいという方は、ツアーに当日参加できるかが気になるところだと思います。
現地で当日券を入手するには、Pier33にあるチケット売り場に早朝から並ぶ必要があります。たださい、8時や9時に来ても、すでに売り切れているケースがほとんどです。基本的には、事前のオンライン予約がおすすめとなります。
チケット売り場のオープンは午前7時30分ですが、6時台には列ができ始めることもあり、確実に手に入れるには5時30分頃には並んでいたいところです。
できれば当日チケットに挑戦するよりも、前日にPier33のチケット売り場に立ち寄って最新情報を確認しておくことが確実でおすすめえす。現地スタッフに「明日の当日券はありますか?」と聞けば、空き状況を教えてもらえます。
アルカトラズ島へのアクセス|ピア33からの行き方と注意点

アルカトラズ島へのフェリーは、サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフ近くにある「Pier33 Alcatraz Landing(ピア33 アルカトラズ・ランディング)」から出発します。
Googleマップで「Pier 33」または「Alcatraz Landing」と検索すれば迷わず辿り着けます。住所は「Pier 33 Alcatraz Landing, San Francisco, CA 94105」です。
サンフランシスコ市内からのアクセスは、公共交通機関の利用が便利です。地下鉄(BART)のEmbarcadero駅から徒歩約15分、路面電車のF-Marketラインに乗ればフィッシャーマンズワーフエリアまで直接アクセスできます。
注意点としては、Pier33には専用駐車場がないことです。周辺に有料駐車場はありますが、フィッシャーマンズワーフ周辺は混雑しているため、公共交通機関の利用がおすすめです。
乗船から到着までの流れ

フェリーの出発時刻の30分前にはPier33に到着しておきましょう。チケットに記載されたQRコードをスキャンして搭乗手続きを済ませ、指定のゲートで乗船を待ちます。入口では名前を伝えるだけで案内してもらえることもあり、思ったよりスムーズに進むので過度に心配する必要はありません。
フェリーに乗り込んだらデッキに出てみてください。サンフランシスコの街並みとゴールデンゲートブリッジを眺めながら15〜20分の船旅を楽しめます。
サンフランシスコは「霧の街」とも呼ばれるほど霧が発生しやすい気候ですが、霧がかかったゴールデンゲートブリッジには独特の幻想的な美しさがあります。晴れの日とは別の表情で、これはこれで印象に残る景色です。
帰りのフェリーは自由乗船で、好きな時間の便に乗ってPier33に戻ります。帰路は島の外周を通るルートになるため、アルカトラズ島全体の外観を海側から眺めることができます。往路よりも帰路の方が島の全景をじっくり見られる、というのは意外と知られていない豆知識です。
アルカトラズ島の見どころ!刑務所内の歩き方

フェリーがアルカトラズ島の桟橋に着くと、国立公園局のレンジャーが出迎えてくれます。ここで飲食禁止や自然物の持ち出し禁止など、島内のルールについて簡単な説明があります。このブリーフィングを聞いた後、いよいよ島の散策が始まります。

まず目に入るのは、島に上陸してすぐの場所に残る落書きです。「INDIANS WELCOME」「INDIAN LAND(インディアンの土地)」といった文字がペンキで書かれています。
多くの観光客はこの文字を見て「?」となりますが、これこそがアルカトラズ島の歴史の厚みを象徴するものです。
1969年から1971年にかけての先住民占拠事件では、アメリカ先住民の活動家たちはここを拠点にして政府に抵抗し、先住民の権利運動を世界に発信しました。

桟橋からセルハウス(刑務所本棟)の入口までは約1.4キロメートル、高低差は40メートルにもなります。13階建てのビルを上るのに相当する急勾配で、階段と坂道が続きます。
足腰に自信のない方や車いすをご利用の方のためには、S.E.A.T.(Sustainable Easy Access Transport)と呼ばれる無料のトラムが利用できます。事前に申し出ておくと島上陸時にスムーズに案内してもらえます。
メイン監獄棟「セルハウス」の見どころ

アルカトラズのメインとなる監獄棟「セルハウス」に入ると、まずオーディオガイド(音声案内機)が貸し出されます。
オーディオガイドは日本語対応もあり、料金はツアー代金に含まれているので追加費用はかかりません。「ジャパニーズ プリーズ」とスタッフに伝えれば、日本語の機器を用意してもらえます。
オーディオガイドは音声ガイドが道案内をしながら、自動的に進行するストーリー形式です。実際にアルカトラズ島で服役していた元受刑者や、かつてここで働いていた看守の生の声が収録されています。さらに、独房のドアが閉まる音、廊下を歩く足音といった効果音もあり、当時の刑務所に迷い込んだような臨場感を味わえる仕掛けもあり。

セルハウス内で特に印象的なのは、「ブロードウェイ」と呼ばれる中央の廊下です。両側に何十もの独房が並ぶこの空間は、当時の囚人たちが冗談交じりに「ブロードウェイ」と名付けました。
独房はわずか2.7メートル×1.5メートルほどの狭さで、実際に独房の中に入ってみると、その息苦しさが肌で伝わります。最も問題行動の多い囚人が入れられたD棟には「ザ・ホール(The Hole)」と呼ばれる完全に光が遮断された独房があり、過酷な処罰の場として使われていました。
食堂(ダイニングホール)も見逃せないポイントです。収容者たちは毎日ここで食事を取っていましたが、献立はスパゲティが繰り返し出ることが多く、それに嫌気が差した囚人たちが実際に暴動を起こしたこともあるといいます。
「スパゲティを食べ続けると人は暴動を起こす」という何とも言えない教訓は、オーディオガイドでも紹介される小エピソードです。食堂のテーブルや椅子は当時のものが残されており、かつての生活の痕跡をリアルに感じられます。
眺望と自然も楽しめる刑務所外の見どころ

島の丘の上からは、サンフランシスコの街並みとゴールデンゲートブリッジが見渡せる絶景スポットがあります。牢獄の鉄格子の向こうに自由の街を眺めていた囚人たちの気持ちが、ほんの少しだけ理解できるかもしれません。
なお島の周囲を一周する散策は30〜60分ほどで完了できます。海鳥が生息する自然豊かな環境で、春から夏にかけてはペリカンやコーモラントの営巣地にもなっています。そのためバードウォッチングを楽しむ観光客の姿も珍しくありません。
アルカトラズのオーディオガイドが唯一無二の体験

アルカトラズ島のオーディオガイドは、実は世界の観光地にある無数のオーディオガイドの中でも別格の完成度を誇るといわれています。
その名も、時を刻む:アルカトラズ・セルハウスツアー(Doing Time: The Alcatraz Cellhouse Tour)です。アルカトラズのオーディオプログラムは、数々の賞を受賞しており、単なる音声解説を超えた体験型ドラマとして評価されています。
アルカトラズのガイドは、スタートボタンを一度押すだけで音声が進行に合わせて自動的に次の場所へ案内してくれます。「次はあの廊下を歩いてください」「右手の独房を覗いてみてください」といった形で、まるで本物のガイドが横にいるような感覚で進んでいきます。
そして最大の特徴が、実際にアルカトラズで服役した元受刑者と、かつて勤務した元看守の肉声が収録されていることです。
独房の中から脱走を試みた日の緊張感、廊下に響く金属音、仲間の囚人との確執……それらがリアルな声と効果音で再現されており、これが実際に凶悪犯がいた収容施設という雰囲気もあわさり、想像以上の没入感があります。
ナイトツアーは昼間の日帰りツアーとなにが違う?

アルカトラズ島を観光した人が口を揃えて言うのが、ナイトツアーは昼間と全然違うという感想です。実際、夜のアルカトラズ島は、昼間とは根本的に異なる体験になっています。昼間は雰囲気があって、ちょっと怖いかなという感じですが、夜は本当に怖いです。
ナイトツアーの出発時刻は夕方から夜にかけてで、火曜日から土曜日のみ参加できます。まず、フェリーのルートが昼間と異なります。デイツアーでは島の東側から入島しますが、ナイトツアーでは北側からです。
暗闇の中からライトアップされた建造物が浮かび上がってくるので、これから良くないことが起きそうな予感もたっぷり。アメリカ映画らしい雰囲気を感じるところがあります。
降りる桟橋は同じで、着岸後にレンジャーから諸注意を受けるのも昼間と同じです。ただし夜は、島全体が照明で浮かび上がる様子が昼間とはまったく違う雰囲気になっています。
ナイトツアーでは、病院棟(Hospital Wing)へ特別入場

ナイトツアーには昼間のデイツアーにはない特別なコンテンツが含まれています。それが刑務所の最上階、食堂の真上に位置する「ホスピタル・ウィング(Hospital Wing)」への見学です。
この病院棟は、通常のデイツアーでは入ることができない非公開エリアです。内部には歯科、手術室、レントゲン室、薬局、入院施設が揃っており、小さいながらもほぼ完全な医療設備が当時のまま残されています。アル・カポネが神経梅毒の治療を受けたのもこの病院棟だといわれています。
なかでも観光客が最も足を止めるのが手術室で、古い手術台と天井の照明だけが残る空間に、独特の緊張感が漂います。照明がない場合にはレンジャーが懐中電灯で室内を照らしてくれることがあり、その演出がかえって不気味です。
アルカトラズは廃墟とはいわないまでも、利用されなくなった監獄島の病院施設を探索するという雰囲気もたっぷりで、とくに夜の時間帯はちょっとした肝試しのような感覚もあります。
実際のところアルカトラズ島は、全米屈指の最怖スポットとしても有名で、とくにDブロックの14号独房は心霊現象が報告されいるなど心霊スポットとしても知られています。なので、苦手な人は夜のアルカトラズの観光は、控えておくことがおすすめです。
サンフランシスコの夜景とナイトツアーならではの絶景

ナイトツアーのもうひとつの目玉は、サンフランシスコの夜景です。世界的にも屈指の美しさを誇るサンフランシスコの夜景を、島から少し距離を置いて眺めると、湾に輝くベイブリッジとゴールデンゲートブリッジを同時に見渡せます。
夜のベイブリッジは最高に美しく、水面から見上げる橋の迫力もまた格別です。この特別な景色を見るためだけに、ナイトツアーに参加しても良いくらい美しいです。
なお、ナイトツアーに参加する際は防寒対策が絶対に必要です。サンフランシスコは一年を通じて夜間の気温が低く、海上から吹きつける風が非常に冷たいです。夏でも長袖・長ズボン・厚手のジャケット・ウィンドブレーカーを持参することがおすすめです。
夏だから大丈夫と思って薄着で行くと、あまりの寒さに凍えるのはナイトツアー定番の光景だったりもします。この寒さのなか海を渡って脱獄は無理ではないか、と感じてもらえる瞬間でもあります。
なお、ナイトツアーは昼間に一度訪れた経験のあるリピーター向けのツアーとして特に人気ですが、初めての方でも十分に楽しめます。もし昼と夜どちらか一方しか行けない場合は、まずデイツアーがおすすめです。旅程に余裕がある方はぜひ両方を体験してみてください。
アルカトラズ島の注意点まとめ
島内は飲食禁止
アルカトラズ島の中では飲食が禁止されています。これは意外と見落とされがちな注意点で、昼前後のフェリーに乗った場合、島にいる間は何も食べられません。水だけは島内の売店で購入できますが、食事は一切取れないと考えておきましょう。
昼のフェリーに乗る場合は、Pier33出発前にランチを済ませておくこととバッチリです。Pier33の周辺にはフィッシャーマンズワーフのレストランやカフェが多数あります。
なおフェリーの船内には軽食の売店があり、ビーフホットドッグやスナックなどを購入できます。
帰りのフェリに注意
アルカトラズ島から帰るフェリーは自由乗船ですが、最終便の時刻は厳守です。午後の遅い時間帯になるほど帰りのフェリーは混雑し、最終便では乗り切れないこともありえます。
島内の人数管理は徹底しているので、一般客が置き去りにされることはまずありませんが、時間管理は慎重に行いましょう。
アルカトラズ島観光はバイマトラベルのツアーもおすすめ

アルカトラズ島は、確かに個人でチケットを手配して観光することもできます。しかし、英語でのチケット購入、Pier33への行き方、当日の流れ、予期せぬフェリーの変更対応などなど……初めてサンフランシスコを訪れる方にとっては、すべて自分で準備するのはなかなかのハードルです。
BUYMA TRAVELのアルカトラズ関連ツアーなら、日本語でのサポートを受けながら安心して観光を楽しめます。チケットの手配から集合場所への案内まで、日本語対応のスタッフがサポートします。
また、サンフランシスコ市内観光とセットになったプランを選べば、ゴールデンゲートブリッジやツインピークス、フィッシャーマンズワーフといった定番スポットをアルカトラズ島と同日に効率よく回ることもできます。
サンフランシスコ1日観光ツアーでは、午前中に市内の主要スポットを日本語ガイドとともに見学し、午後にアルカトラズ島へ上陸するプランが人気です。
個人で回ろうとすると移動だけでも大変ですが、ツアーなら車での移動が基本になるため、限られた時間でサンフランシスコの人気スポットを抑えることができます。
アルカトラズ島は「一度は行くべき」と世界中の旅行者がおすすめする場所です。初めてのサンフランシスコ旅行をより充実させるために、ぜひバイマトラベルのツアーページもチェックしてみてください。
さいごに

アルカトラズ島は、単なる監獄の跡地ではなく、アメリカの歴史の暗部と、人間の自由への渇望が刻み込まれたスポットです。
石造りの独房に立ったとき、鉄格子越しにサンフランシスコの街を眺めたとき、オーディオガイドから流れる元受刑者の声を聞く体験は、感慨深い旅行体験になります。ぜひ本記事を参考に、アルカトラズ島を訪れてもらえたらと思います。
バイマトラベルでは、サンフランシスコ旅行に利用したい現地ツアーを多数掲載しています。移動や観光がセットになった人気のツアー情報は、公式サイトをチェックしてみてください。


