
アメリカの街中では、運転席に誰も座っていない車が道路を普通に走っている。どこか近未来のような世界が、すでに現実になっていることをご存じでしょうか?
現在、なんとアメリカでは、サンフランシスコやロサンゼルスなどを中心に、アプリから自動運転タクシーを呼び出し、実際に乗車して移動できるサービスが本格的に広がっています。
日本でも、Waymo(ウェイモ)をはじめとした完全無人タクシー導入にむけたニュースが注目を集めており、「本当に安全なの?」「乗り心地はどう?」「いつ日本で普及するの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、実用化が進むアメリカの無人タクシーについて、サンフランシスコやロサンゼルスでの状況もふくめてわかりやすくご紹介します。観光で無人タクシーを利用する方法や、注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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無人タクシーとは?アメリカで実用化が進む自動運転タクシー

無人タクシーとは、ドライバーが乗車していない完全に自動で動くタクシーサービスのことです。
人間の運転手がハンドルを操作するのではなく、車に搭載されたカメラ・LiDAR(ライダー)と呼ばれるレーザー光のセンサーが周囲の状況をリアルタイムで把握し、AIがすべての判断を行って走行します。
「そんな技術、まだ実験段階では?」と思う方もいるかもしれませんが、アメリカではすでに無人タクシーが日常的な移動手段として利用されています。
Googleの親会社Alphabetが開発・運営する「Waymo(ウェイモ)」は、サンフランシスコ・ロサンゼルス・フェニックス・オースティンの各都市で一般ユーザー向けのサービス「Waymo One」を展開しており、スマートフォンのアプリで誰でも配車をリクエストできます。
サービス開始当初、サンフランシスコなどの都市では招待制での利用となっていましたが、現在はアプリをダウンロードして登録すれば、基本的には誰でも利用できるようになっています。
2026年現在も対応エリアは拡大を続けており、ダラス、ヒューストン、サンアントニオ、オーランドなどでも順次サービス提供が始まっています。
ただし、新しくサービスが開始されるエリアでは、まずは安全確認や運用調整を目的として「招待制」からスタートするケースが多く、一部地域では現在もウェイトリスト登録や招待制が採用されています。
日本の自動運転タクシーの状況

日本でも自動運転タクシーのテスト走行は進んでいます。トヨタ、日産、ホンダといった国内メーカーがそれぞれ技術開発を進め、2020年代に入ってからは限定地域での実験走行も実施。
ただ2026年5月時点では、誰でも自由に利用できる自動運転車は、日本には存在していません。日本は道路交通法の制約が多く、完全無人のタクシーを走らせることにおいては、アメリカよりも遅れている状況です。
アメリカでは州ごとに自動運転に関するルールが設けられているので、なかでもカリフォルニア州は早い段階から自動運転が利用できるよう整備されてきました。
Waymo以外にも自動運転車はある?

無人タクシーといえばウェイモ(Waymo)というイメージが強いですが、他にも電気自動車大手のテスラが無人タクシーサービス「Robotaxi」を展開しています。
テスラの自動運転タクシーはロボタクシー(Robotaxi)と呼ばれ、南部テキサス州オースティンで運行中です。サンフランシスコのベイエリアでも、テスラのロボタクシーは走っているのですが、完全無人ではなく安全配慮のためドライバーが同乗しています。
ロボタクシーの運用エリアとしては、ラスベガス、オーランド、フェニックス、マイアミ、タンパでの展開も予定されていますが、現時点でいつになるかは未定。
そのため、2026年5月時点では、一般的なサービスとして安定稼働しているのは、Waymo Oneとなっています。アメリカ旅行で無人タクシーを体験するなら、基本的にはWaymo一択です。
サンフランシスコで無人タクシーに乗れる場所

無人タクシーが走行しているアメリカのなかでも、Waymoが大きくサービスを展開している都市がサンフランシスコです。市内の大部分を自動運転でカバーしており、有名な観光エリアはほとんどで乗り降りができます。
サンフランシスコの中心地でもあるユニオンスクエア周辺もサービスエリア内で、他にもフィッシャーマンズワーフ、チャイナタウン、ノブヒルといったエリアもサービス範囲内です。
サンフランシスコといえばケーブルカーが有名なので、例えばフィッシャーマンズワーフまで片道はケーブルカーを利用して、もう片道は自動運転タクシーを利用するといった観光を楽しむ方も多くいます。
そしてサンフランシスコ国際空港(SFO)からの市内に向けた移動でも、2026年1月末に自動運転タクシーが導入されると発表されています。
Waymoはすでにフェニックス・スカイハーバー国際空港とサンノゼ・ミネタ国際空港で利用できるようになっているので、3番目の都市としてサンフランシスコ国際空港での利用拡大となります。
ただサンフランシスコ空港からの自動運転タクシーの利用は、一部のユーザーから順次拡大となっているので、観光客がすぐに利用できるようになるにはまだ少し時間がかかりそうです。
ロサンゼルスの無人タクシー事情

ロサンゼルスでもWaymo Oneはサービスを展開していますが、サンフランシスコに比べるとサービスエリアは限られています。
LAはサンフランシスコの約18倍という広大な面積を持ち、車での移動が不可欠な車社会なのですが、Waymoが利用できるエリアはまだ特定の地区に集中している状況です。
ロサンゼルスで自動運転車が利用できるのは、ダウンタウンからサンタモニカにかけてのエリアが中心。ロサンゼルス国際空港LAXは対象外となり、空港と市内の行き来には利用できません。
なので観光での利用となると、サンタモニカのビーチエリア・ピア周辺からダウンタウンにかけての移動での利用になります。
サンフランシスコと比べると、ロサンゼルスではまだ対応エリアが限られているため、街中を自由に移動するメインの交通手段として使うには、やや使いにくいです。観光の合間に、日本にはない移動体験として一度乗ってみたい、という感覚で利用できるといった普及となります。
Waymo Oneの料金・所要時間・支払い方法
気になるWaymoの料金は、基本的にはUberやLyftと同じような価格帯です。価格差はそれほど大きくなく、同じくらいか若干高めの価格です。
少し曖昧な説明になっているのは、Waymoの料金は、距離・時間帯・利用者の需要によって、利用料金が変動するからです。時間帯によっては、サージプライシング(需要が急増すると割増料金になる)が適用され割高になることもあります。ただ、料金が変動するルールは、UberやLyftでも同じ。
利用料金の目安としては、サンフランシスコ市内の一般的な観光エリア、例えばユニオンスクエア〜フィッシャーマンズワーフ間では、10〜16ドルほどです。
チップは必要ない
日本人にとって、馴染みのないアメリカの文化といえば、チップ文化です。レストランやタクシーでのチップは、いくら渡せばいいのか?と迷う方も多いです。
Waymoはドライバーが存在しないため、チップは不要となっています。アプリで支払いは完結するので、現金を用意する必要もありません。
なので、通常のタクシーと同じような価格帯とはいえ、アメリカのチップは代金の15〜20%が相場なので、チップがない分はお得です。
Waymo アプリの使い方と乗車について

車が乗車ポイントに到着すると、アプリにWaymo到着の通知が表示されます。実際に使ってみると、無人の車が静かに自分の前へ停車する光景だけでも、かなり未来感があります。
ドアはアプリ内の「Unlock(アンロック)」ボタンをタップして、通常のタクシーと同じようにそのままドアハンドルを引けば開きます。操作自体はかなりシンプル。車内に乗り込んだあと、「Start ride(乗車開始)」ボタンを押すと、いよいよ無人タクシーが走り始めます。
車内にはカーナビのようなモニターが設置されていて、現在地や目的地、到着予定時刻などが表示されています。緊急時には車内の「Emergency」ボタンやアプリからサポートへ連絡できる仕組みになっており、無人とはいえ安心感はしっかりあります。
目的地が近づくと、「Almost there(もうすぐ到着)」という表示が出ます。停車後はアプリに「End ride(乗車終了)」ボタンが表示され、それをタップして降車する流れです。
最初の30秒は、誰でも「おっ」となるはずで、Waymoへ乗り込んでまず驚くことが、「本当に運転席に誰もいない」という光景。前の席が完全に空っぽの状態で、ハンドルだけが勝手に動きながら車が発進していく感覚は、やはり普通のタクシーとはまったく違います。
大丈夫かなと心配になることはもちろん、とくに最初のカーブでハンドルが自動でクルクル動きながら曲がっていく光景は「スゴイ!」という驚きのひとこと。それでも驚きは意外と最初だけで、数分もすると慣れてくるから不思議です。
実際の走行はかなり滑らかで、急ブレーキや急発進はほとんどありません。むしろ、人が運転するUberより丁寧なのではと思う場面も多く、路面が悪い場所ではしっかり減速してくれます。バスが停車して道幅が狭くなった場面でも、落ち着いてゆっくり避けながら進んでいきます。安全重視の走行ということもあり、人によっては遅く感じるくらいの速度です。
ただ、「なぜか予想より遠回りをしている」「交差点で思ったより長く停止している」こともあります。これはWaymoが周囲の状況を細かく確認しながら、安全を最優先に判断しているためです。
工事車両や路上駐車、歩行者の動きなどを検知すると、かなり慎重な動きをすることがあり、混雑した大通りを避けて住宅街の裏道へ回るケースもあります。
初めて利用したときは、「ルート間違えてる?」「止まったままだけど大丈夫?」と少し不安になる方も多いですが、実際には故障ではなく、安全確認のために一時停止しているだけというケースがほとんどです。
普通のタクシーであれば運転手に「どうしたんですか?」と聞けますが、Waymoには当然ドライバーがいません。そのため、ちょっとした出来事で、運転手がいないということに戸惑うかもしれません。
自動運転タクシーの禁止事項
Waymoには運転手という遠慮する相手がいないため、自由に過ごせます。大声で話したり、電話したり、スマートフォンで動画を見たりしても問題ありません。後部座席には音楽を選択できる機能まであります。
必ず守らなければならないルールとしては、運転席に座ることは厳禁です。ドライバーが不在のため、運転席に座って操作しようとする利用者が実際に出ており、安全上・規約上の重大な違反となります。
また、ペットの同乗は禁止されています。盲導犬などのサービスアニマルのみ乗車可能で、観光中に連れているペットは乗せられません。子どもだけでの乗車もWaymoの利用規約上認められておらず、12歳以下の子どもが乗車する場合は大人の同乗が必要です。
半ドアに注意
Waymoを利用する際に注意したいのが、半ドアです。利用した後にドアを完全に閉めず離れてしまうと、安全確認ができず、ドアが正しく閉じられるまで車が動けなくなります。
Waymoが動き出さないことを不思議に感じて、半ドアに気が付けばいいのですが、そのまま離れてしまう人もいるため、ちょっとした問題にもなっています。なんとWaymoのドアを閉めるだけ、という超時短バイト(ギグワーク)も存在し、報酬は1件あたり11.25ドル(約1,700円)となかなかいいお値段。
将来的にはWaymoの車両に、自動ドアが搭載される予定とされていますが、現時点では乗客側に注意が必要です。バイトが締めてくれるから安心とは思わずに、降車時は必ずドアをしっかり閉めたことを確認してから離れるようにしましょう。
トランクを使う際の注意点
Waymo の車両はジャガーI-PACEをベースにした5人乗りSUVです。トランクスペースもあり、一般的なスーツケース1〜2個は収納できます。ただし、トランクを利用する場合は注意も必要。
なんと、仕事の出張でサンノゼ国際空港に向かった利用者が、降車直後にトランクが開かないまま、車だけが走り去るという出来事がありました。他にも乗客の荷物をトランクに乗せたまま、車が出発するという事例がいくつか発生しています。
Waymoにはドライバーがいないため、荷物の積み忘れに気づいても、走り出してしまったWaymoは即座に対応はできません。トランクを使用する場合は、忘れずにトランクを開けて荷物を取り出すことはお忘れなく。もちろん、貴重品や旅行に欠かせない荷物は、車内に持ち込む方が安全です。
サンフランシスコの無人タクシー体験ツアー

「Waymoに乗ってみたいけれど、英語やアプリ操作が不安…」「もしトラブルに巻き込まれたら、どうすればいい?」という方には、日本人ガイド付きの無人タクシー体験ツアーもおすすめです。
バイマトラベルでは、サンフランシスコ現地の最新情報を知り尽くした日本人ガイドが、Waymo Oneの乗り方から見どころまで日本語でサポートします。
ツアーではWaymoの無人タクシーの乗車が体験できるだけでなく、ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワーフなど、サンフランシスコの人気観光スポットもあわせて楽しめます。
ツアーは完全プライベート型のオーダーメイドタイプなので、無人タクシーを体験しながら、観光スポットやショッピングにランチと、希望に合わせて自由に1日のプランを組むこともできます。
気になる方は、ぜひ無人タクシーが体験できるサンフランシスコ現地ツアーもチェックしてみてください。
さいごに

サンフランシスコやロサンゼルスでは、かつてSF映画の中だけの存在だった無人タクシーが、すでに日常の移動手段として走り始めています。
特にサンフランシスコは、世界でもトップクラスに無人タクシーが普及している都市です。観光で訪れるなら、ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワーフなどの定番スポット巡りとあわせて、ぜひ一度Waymoにも乗ってもらえたらと思います。
「未来の乗り物に乗った」という体験は、きっと旅の中でも忘れられない思い出になるはずです。
バイマトラベルでは、サンフランシスコ旅行に利用したい現地ツアーを多数掲載しています。移動や観光がセットになった人気のツアー情報は、公式サイトをチェックしてみてください。


