ソウルに位置する景福宮(キョンボックン)は、韓国に行くなら一度は訪れたい観光スポット。韓国を代表する古宮として有名で、韓国の五大宮殿の1つに数えられています。
正門「光化門」の前に広がる「月台」が100年ぶりに復元され、美しい姿を見せたことも話題になり、また韓国の人気アイドルグループBTSがライブパフォーマンスを行ったことで世界的にも注目を集めました。
本記事ではそんな景福宮の見どころや、守門将交代式の観覧方法、さらには憧れの可愛い韓服をレンタルしての特別な体験までを詳しくご紹介!
韓国の美と歴史を両方楽しむことができる景福宮。その魅力についてさっそく見ていきましょう!
景福宮とは
韓国・ソウルに位置する景福宮は、韓国最大規模をほこる歴史的な王宮です。
韓国最大の歴史的王宮で、1395年に李氏朝鮮の初代国王、李成桂(イ・ソンゲ)によって創建されました。
朝鮮王朝の1392年から1910年にかけての時代では、最高位の宮殿とされていましたが、1592年の文禄・慶長の役(壬辰倭乱)の際には一度焼失。その後、約270年間再建されなかったのものの、1867年に高宗の父、興宣大院君によって再建されました。
景福宮は韓国の五大宮殿(景福宮・昌徳宮・徳寿宮・昌慶宮・慶熙宮)の1つに数えられ、東宮と呼ばれる世界遺産・昌徳宮(チャンドックン)、西宮と呼ばれる慶熙宮(キョンヒグン)に比べて、最も北側に位置していることから北宮とも呼ばれています。
景福宮は風水の考えを取り入れた韓国のパワースポットとしても有名で、宮殿の背後には白岳山がそびえ立ち、大地の気の流れ龍脈が流れ込む場所とされています。
景福宮の名前の由来は、「新しい王朝が大きな福に包まれ繁栄する」という意味です。
広大な敷地内には国立古宮博物館や国立民俗博物館もあり、韓国らしい美しい王宮を観光するだけでなく、韓国の歴史や文化を深く知ることもできます。
景福宮の見どころスポットは5つ
景福宮の魅力は、まるで韓国の歴史ドラマのような美しい光景が広がっているところ。
多くの韓国ドラマや映画のロケ地としても使用されており、当時の王宮の雰囲気や世界観をたっぷり楽しむことができます。
韓国・ソウルで最大規模とされる敷地面積は12万坪以上と非常に広大。敷地内には数多くの歴史的建物があるので、すべてをゆっくり見て回ると最低でも約2時間は必要になります。
もし限られた時間で景福宮を訪れるなら、とくに見どころのスポットといわれている「光化門、興礼門、勤政殿、慶会楼、香遠亭」を中心に観光することがおすすめです。
「光化門、興礼門」は無料で観光することができ、「勤政殿、慶会楼、香遠亭」は有料エリアです。
光化門
光化門(クァンファムン)は景福宮の南門にあたり、朝鮮王朝時代に国王が出入りする正門として使われていました。
門は五大宮殿の中でも特に宮門形式で建てられており、韓国らしい色鮮やかな瓦屋根が特徴。雄大で壮大な大門の造りは、景福宮を代表するスポットの1つとなっています。
門の前には広い階段が設けられており、光化門へとつながるこの階段は「月台」と呼ばれています。
月台はかつて国の重要な行事が執り行われた場で、王宮の威厳を象徴する場所とされています。また、王が通る道であると同時に、民との交流の場でもありました。
光化門の目の前に広がる王の階段こと月台は、2006年から始まった復元工事を経て、2021年9月に約100年ぶりに復元されました。
光化門を正面に見据えた景福宮はまさに圧巻の美しさで、別世界に来たような感覚を楽しむことができます。
興礼門
興礼門(フンレムン)は、光化門をくぐった先にある中門です。
巨大な門には色鮮やかな唐草模様の装飾や鳳凰が施されており、瓦屋根がとても優美な曲線を描いている壮大な造りが特徴です。
門は朱色の大きな柱が映える2階建ての構造になっており、青・赤・黄・白・黒で構成される韓国の伝統的な配色「丹青」が非常に美しいです。
階段を上がった先に3つ門が構えており、興礼門の中央は王の御輿が通るための入口になっています。
勤政殿につながる有料エリアの入口は、興礼門に向かって一番右側。チケットセンターで観光チケットを購入するか、韓服を着ていれば興礼門を通ることができます。
興礼門は1916年に一度取り壊されましたが、2001年に歴史的価値を考慮して見事に復元されました。
勤政殿
勤政殿(クンチョンジョン)は景福宮にある正殿で、韓国の国宝第223号に指定されている建物。
景福宮の最大の見どころポイントとも呼び声が高いのが勤政殿です。現存する韓国最大の木造宮殿としても知られ、壮麗な建築美は国宝に指定されることも納得の壮大さです。
勤政殿は景福宮の中央に位置しており、国家行事や儀式、外国からの使者との接見など、国の重要な行事を行う中心的な場所でした。
勤政殿の内部に一歩足を踏み入れると、玉座とその頭上に見える天蓋が目を引き、天蓋の内側には王の象徴とも言える龍の装飾が施されています。吹き抜けになった天井も色鮮やか。朝鮮王朝の豪華な王室文化を垣間見ることができます。
勤政殿に至るまでの道もまた格別で、興礼門をくぐり抜けると勤政門があり、二つの門に囲まれた庭はかつて王の護衛を務めた近衛隊が配置されていた場所でした。
慶会楼
周囲の美しい自然と調和の取れた慶会楼(キョンフェル)は、景福宮にある最高の景色が楽しめる楼閣です。
池の上に建てられていることが慶会楼の特徴で、美しい自然に囲まれた楼閣は国宝第224号に指定されています。
緑豊かな庭園に囲まれ、静かな水面に浮かぶように建つ慶会楼の姿は、どこか神秘的な雰囲気。楼閣にあがれば、池上から望む特別に美しい風景を楽しめます。
慶会楼は国の祝事を祝う場として建てられ、王やその臣下たちの宴の場、または外国の使臣を接待する場として利用されてきました。
長きにわたり公式の行事が行われる際を除き、一般客の立ち入りは禁止されていましたが、2005年からは春から秋にかけて期間限定で1日数回だけ、グループでの観光が許可されています。
なので、慶会楼の内部を観光するには事前予約が必要になることが注意点です。
慶会楼はBTSがライブパフォーマンスを行なった場所としても有名なスポットなので、「同じ舞台に立ってみたい!」というBTSアーミーは、景福宮を観光する際のご予約をお忘れなく。
予約に不安がある場合は、現地ガイドに予約を相談することもおすすめです。
\慶会楼の予約を相談する/
BUYMA TRAVELでは、ソウル在住の日本人ガイドが観光の相談に乗ってくれるので、景福宮する際はあわせてチェックしてみてください。
香遠亭
景福宮の隠れた名所といえば、後苑に位置する香遠亭です。
香遠亭は王や王族の休息に利用された場所で、景福宮のなかでも特に美しい風景が広がっていることが特徴。
人口的に作られた池の上には木造の橋が掛かった小島があり、小さな六角形の建物が建てられています。
池は緑豊かで静かな庭園に囲まれており、とくに天気が良い日には水面に映り込む香遠亭の優美な姿を見ることができます。
宝物第1761号にも指定されており、2021年に復元工事が完了しました。
香遠亭は景福宮の奥に位置しており、正門である光化門からはやや遠い距離にあることが難点。そのため観光客の数は少なく、静かで落ち着いた雰囲気の中で景観を楽しむことができます。
とくに紅葉の時期は美しさがさらに際立つので、日常の喧騒を忘れさせてくれるような、時間が止まったような穏やかな時間を楽しめます。
大人気の守門将交代式をみよう!
景福宮を観光するなら、絶対に見逃せない衛兵交代のイベントが「守門将交代儀式」です。
交代式は、1392年から1910年にかけての朝鮮王朝時代に光化門の開閉、警備や巡回を行っていたスムンジャンと呼ばれる守門将の衛兵交代の儀式を再現したもの。
景福宮では「王宮守門将交代儀式」と「光化門把守儀式」の2種類の交代式があり、どちらも興礼門の前で無料で観覧することができます。
交代儀式が始まるとアナウンスが流れ、光化門の前に次々と伝統衣装を身につけたスムンジャン(守門将)が隊列を組んで入場します。
太鼓の音をきっかけに、厳粛とした空気のなかを隊列を組んで行進する守門将たちの姿はまさに圧巻です。
交代式ではかつて王宮で行われていた光化門の開閉、警備、そして衛兵でもある守門将の交代までの流れを見事に再現。
交代式は場内で流れる日本語による解説アナウンスもあるので、太鼓を鳴らす背景や、守門将の交代に用いられた暗号など、儀式の詳細が理解できることも嬉しいポイントです。
交代式が見られる場所は、景福宮の無料観光エリアでもある光化門と興礼門にある広場です。交代式の行われる場所はロープで囲われるので、ロープの外が交代式の観覧エリアとなります。
交代式は10:00から14:00にかけて1時間に1回の実施です。
休日をはじめ、守門将交代式は時間帯によっては混雑するので、最前列で見たいという方は少し早めに場所を抑えることがおすすめ。
守門将交代儀式は毎日実施されますが、景福宮の休業日にあたる火曜日は実施されません。
また、交代式は雨天の場合は中止となることがあるため、観光の際は天気もチェックしておくこともお忘れなく。
交代式スケジュール
王宮守門将交代儀式(10:00〜、または14:00~)約20分
光化門把守儀式(11:00〜、または13:00〜)約10分
定休日|火曜日
韓服レンタルでの観光が大人気!
景福宮の観光でとくにおすすめの体験といえば、韓国の伝統的な服装「韓服」のレンタルです。
韓服は女性用の「チマチョゴリ」が有名ですが、韓国では男性用の服装も含めて一般的に韓服(ハンボク)とひとまとめにして呼ばれています。
景福宮では悠久の時を感じるノスタルジックな雰囲気のなかで、チマチョゴリ体験をしながら韓国らしい写真を撮ることが大人気!
インスタグラムをはじめSNSでは、魅力たっぷりの韓服姿が「可愛い」と話題を集めていて、韓服姿での景福宮の観光が世界的な定番になってきています。
韓服は景福宮周辺にあるレンタルショップで借りることができ、伝統的なチマチョゴリからモダンな韓服まで幅広いスタイルやデザインからお好みの一着を選ぶことも可能!
さらに嬉しいポイントとして、レンタルショップでは専門スタッフが着付けや簡単なヘアセットもしてくれます。
また、景福宮は韓服を着用していると入場料が無料になることも重要なポイントです。そのため宮内は多くの観光客が韓服姿での観光を楽しんでいます。
韓服のレンタルショップは景福宮周辺に数多くありますが、事前の予約なしの当日レンタルでは借りれないこともあるので、事前の予約がおすすめです。
\憧れの韓服をレンタル/
韓服はファミリーでのレンタルも可能で、景福宮では韓服姿の子どもをたくさん見かけます。
ソウルでしか撮影できない韓服姿の可愛い写真に残すチャンスなので、気になる方はぜひ伝統衣装を楽しんでみてください。
\ファミリー韓服レンタル/
日本語オーディオガイド
景福宮の観光には、日本語オーディオガイドの利用が可能です。
オーディオガイドはチケットセンターのすぐ隣で借りることができ、料金は1台3,000ウォンです。
音声ガイドのレンタルにはパスポートまたは免許証の提出が必要になることが注意点。パスポートまたは免許証を預け、代わりにオーディオガイドを受け取ります。
預けた証明書はレンタルカウンターからオーディオガイドを返却する際に受け取ることができます。
オーディオガイドは景福宮のガイドマップと連動しています。センサーでマップを読み取り、スポットごとに詳しい音声ガイドを聞くことができます。
注意点はオーディオガイドの返却は、レンタルカウンターで行う必要があることです。
そのため音声ガイドを持ったまま北門の神武門から外にでたり、景福宮から国立民俗博物館を抜けて東側に出るといった移動ができません。
景福宮の観光を終えたら、オーディオの返却に南門のレンタルカウンターまで戻ってくる必要があることにご注意ください。
景福宮の近くでランチをお探しなら、土俗村がおすすめ
午前中に景福宮を観光する、あるいはランチを終えてから景福宮を観光するなら、ランチは景福宮の近くにある美味しいお店で食べたいところ。
景福宮に近いエリアでおすすめのレストランは、サムゲタン専門店の土俗村(トソクチョン)です。
土俗村はサムゲタンの専門店で、1983年から営業している大人気店。景福宮駅から徒歩すぐ、光化門からは徒歩約8分の場所にあります。
店内は韓国の伝統的な韓屋を活かした造りで、風情と趣ある雰囲気のなかで食事が楽しめます。店内には約200席ありますが、その人気ぶりは絶大でランチ・ディナーともに連日長蛇の列ができるほどです。
土俗村の看板メニューはもちろんサムゲタン(参鶏湯)です。
濃厚なスープと柔らかい鶏肉が自慢で、スープは疲労回復や栄養補給にも良く、観光客はもちろん地元の人からも愛されています。
韓国ソウルに行くなら一度は訪れたい名店なので、景福宮を観光するタイミングにあわせて、ぜひ訪れてみてください。
行列のできる人気店なので、個室を利用したい方をはじめ、できれば事前の予約がおすすめです。
\ソウルレストラン予約受付中/
土俗村(トソクチョン)
営業時間|10:00〜22:00
5 Jahamun-ro 5-gil, Jongno District, Seoul, 韓国
https://maps.app.goo.gl/q6PrMvJGFDZmXKkK7
景福宮とあわせて観光したい北村韓屋村
景福宮エリアを観光するなら、近くにある絶景スポット「北村韓屋村」の観光もおすすめです。
北村韓屋村は景福宮と昌徳宮に挟まれた場所に位置し、ソウルの歴史的な魅力が凝縮されたエリア。
韓屋とよばれる美しい伝統家屋が並んだ通りが特徴で、ソウル市内とは別世界のような悠久の過去にタイムスリップしたような風景を楽しむことができます。
韓国の古い街並みを楽しみながら、景福宮から歩いて観光することができます。
景福宮とあわせて伝統的な韓服を着ての散策が人気でもあるので、気になる方はぜひ景福宮の観光とあわせて訪れてみてください。
景福宮の交代式を見てから北村韓屋村を効率よく観光したい方や、知らない街並みを観光することに不安がある方、または見どころを紹介してもらいながらガイドして欲しい方には、韓国在住のガイドプランもおすすめです。
\交代式が見れる観光プラン/
景福宮の案内になれた日本語ガイドが、交代式の観覧をはじめ、周辺の観光スポットをスムーズに案内してくれます。
よくある質問
- QBTSのパフォーマンスライブが撮影された場所はどこですか?
- A
BTSのアイドル(IDOL)のライブパフォーマンスが撮影された場所は、景福宮の勤政殿(クンジョンジョン)
BTSのミクロコスモス(Mikrokosmos)の撮影場所は、景福宮の慶会楼(キョンフェル)です。
どちらも景福宮の有料エリアです。
- Q景福宮への行き方は?
- A
景福宮の最寄り駅は、地下鉄3号線の景福宮駅または、地下鉄5号線の光化門駅です。
明洞から行く場合は、地下鉄4号線の明洞駅から忠武路駅に行き、忠武路駅で3号線に乗り換えて景福宮駅で下車です。
- Q景福宮と昌徳宮はどっちがおすすめ?
- A
景福宮は韓国の壮大な建築物が魅力で、歴史的建造物と守門将交代式も楽しめます。もし初めて韓国ソウルを訪れるなら、景福宮がとくにおすすめです。
一方、昌徳宮は世界遺産に登録されており、美しい庭園と自然に囲まれた風情のある建築美が特徴です。
どちらの宮殿もそれぞれ独自の魅力がありますが、壮大なスケールの建築を観光するなら景福宮がおすすめで、風情あふれる雅な建築を楽しみたいなら昌徳宮がおすすめです。
まとめ
景福宮は広大な敷地内にある壮大な建物をはじめ、守門将交代式が見どころのソウル市内にある人気の観光スポット。
韓服をレンタルして宮内を散策すれば、韓国ノスタルジーをよりいっそう感じることができ、また韓国ならではの写真が撮れることもポイントです。
景福宮を訪れる際は、守門将交代式のスケジュールを事前にチェックして、韓国ソウルならではの素晴らしい1日をお楽しみください!
景福宮
住所|161 Sajik-ro, Jongno District, Seoul
入場料|大人外国人(19歳~64歳) /3,000 ウォン(18歳以下、65歳以上は無料)
定休日|火曜日