
「九份は本当に行く価値あるの?」台湾旅行に行くなら、必須で行きたい大人気スポットの九份ですが、ふと気になるのがこの疑問です。
赤い提灯が並ぶ幻想的な街並みで有名な九份は、「千と千尋の神隠しみたい」と話題になる一方で、
- 人が多すぎてがっかりした
- 行き方が大変
- 雨ばかりだった
という口コミを見て、わざわざ行くほどの場所なのかな、と思う方もいるのかな?と思います。
実際、私自身も行く前は「わざわざ台北から片道1時間以上かけて行く価値あるのかな?」と半信半疑でした。
そこで今回は、実際に家族3人(親を連れて九份に連れていく)で「台北からローカルバスで九份へ行き、帰りは電車で戻る」というルートで観光してきたリアルな体験をレビューします。
結論から言うと、九份は「がっかりポイントはあるものの、行くべき価値は確かにある」観光地でした。
この記事では、
- 九份は本当に行く価値があるのか
- 実際に行って感じた良かった点、がっかりした点
- バスと電車での移動が、不安の連続で大変だった理由
- 自力で言ってわかった九份現地ツアーが人気になる理由
まで、リアルな感想を正直にまとめました。これから九份へ行くべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
九份を観光するなら、移動と観光がセットになった現地ツアーを比較して選ぶこともおすすめです。バイマトラベルでは人気ツアーをまとめて確認できるので、ぜひ気になるプランをチェックしてみてください。
バスで行くことにした理由

九份へ行く方法は大きくわけて5つあります。定番の現地ツアー、タクシー、電車とバスを組み合わせるルート、シャトルバス、そして路線バスです。
その中で、私たちが選んだのは「台北からバス1本で行く方法」でした。理由はとてもシンプルで、「安くて乗り換えなしで行けるから、楽そう」というもの。
MRT忠孝復興駅近くから出ている965番バスに乗れば、そのまま九份の入口近くまで行くことができます。料金もひとりNT$45〜55ほど。日本円で200〜250円前後なので、かなり気軽です。
若いとはいえない両親を連れた観光なので、タクシーも候補にあがったのですが、台北市内から九份へ向かうと、片道NT$700〜1,000前後します。家族やグループなら便利ですが、往復するとそれなりの金額になります。
台北から九份までの各ルートの行き方は、以下の記事にも比較してまとめています。
もちろん、日本語ガイド付きツアーという選択肢もあるのですが、当時はあまりツアーのメリットもわかっていなかったこともあり、バス1本で往復できるなら、わざわざツアーを利用する必要もないのでは?と気軽に考えていました。
とくに九份観光では、「茶芸館で台湾茶を飲みながら、ゆっくり景色を眺めたい」という気持ちが強かったので、安くて自由に動けることからバス移動に挑戦してみることにしました。
ただ正直に言うと、実際は「楽そう」というイメージだけでは済まなかったのが、バス移動です。
バス移動につきまとう不安と、帰りの混雑は想像以上で、甘くみすぎていたと言わざるをえないです。
965番バスの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 乗り場 | MRT忠孝復興駅(板南線・文湖線)出口付近 |
| 料金 | NT$45〜55(約200〜250円) |
| 所要時間 | 約60〜75分(休日渋滞時は90分超) |
| 支払い | 悠遊カード(ICカード)または現金 |
| 運行間隔 | 約15〜30分に1本 |
乗ってみてわかった「九份行きローカルバス」のリアル

九份行きの路線バスは、観光客も多く利用する便利なアクセス方法というイメージだったのですが、実際に来たのは、車体がやや古いめで、お世辞にも綺麗とは言い難いローカルバスでした。
私たちの行ったタイミングは11月なのですが、乗客のほとんどは地元の人で、観光客らしい人はあまり見かけませんでした。
初めて利用する旅行者だと、「本当にこのバスで九份へ行けるのか?」「乗り間違えていないか?」と不安になる方も多いと思います。かくいう私がそうでした。
九份行きの965番バスは観光専用バスではなく、地元の生活路線の延長のような感覚です。日本の観光地シャトルバスをイメージしていると、かなりギャップがあります。
乗るときに運転手へ「九份?」と声をかけてみたのですが・・・
返ってきたのは「早く乗って」という身振りだけ。
「合ってるよ」の一言があるだけで、安心感って全然違うのですが、そんな気遣いは見せてもらえず。「たぶん、あってる」と少しそわそわした気持ちのままバスが出発。
もちろんスマホのGoogleマップで位置を確認するのですが、台北から九份にバスで向かうのはもちろん初めてなので、バスの進行方向が合っているのか、間違っているのかの判断がつかないです。
Googleマップの現在地表示が止まったり、位置情報がずれたりすると、道を間違えているのでは、とどうしても心配になります。
九份行きバスで一番不安になりやすいのは、台北市内を抜けたあとです。バスはしばらく、郊外の平坦な街並みを淡々と走り続けます。
景色も大きく変わらず、バス停名も読みにくい。さらにGPSまで不安定になると、「本当に九份へ向かっているのか分からない」という気持ちになりやすいです。
乗車から30〜40分ほどが過ぎると、九份が近づいてきて景色が少しずつ変わります。
緑が増え、山が近づき、道路が坂道になっていきます。そして、急な坂道をぐいぐい登り始めた頃、窓の外に海が見えてきます。

九份の海は、いわゆる南国リゾートの海とは少し違い、沖縄のような鮮やかな青というより、どこか落ち着いた色合いで、山の緑と混ざり合うような雰囲気です。
日本の温泉街へ向かう途中のような空気感があって、たとえば関東でいうと熱海、関西でいうと須磨のような“観光地だけど少しノスタルジックな海。キラキラした絶景というより、旅情を感じる景色です。
九份が「どこか懐かしい」と言われる理由は、こういう空気感にもあるのかもしれません。
ちなみに九份のバス移動の坂道は、想像以上に長いです。「まだ上がるの?」と思うくらい、バスは山の斜面をどんどん登っていきます。
九份はジウフェン(jiufen)と発音すると通じる
後から知ったのですが、九份はキュウフン(kyufun)ではなくて、台湾ではジウフェン(jiufen)と発音することが大切です。日本人観光客に慣れたガイドなどは別ですが、地元の方が相手だと「キュウフン」では、伝わらないことも多いです。
九份に行くなら、「九份」の発音は覚えておくと安心です。
実際、バスの運転手は観光客対応に慣れているはずなのに、日本語っぽい発音でも理解してくれませんでした。もしかすると、毎日のように日本人観光客を相手にしていて、わかっているから、いちいち反応しないだけなのかもしれませんが。
九份で降りるバス停が意外と分かりにくい

九份行きのバスで、もうひとつ不安になりやすいのが「どこで降りるのか」です。実際に乗ってみると、九份周辺には「九份○○」と付くバス停がいくつか続きます。
そのため初めてだと、「え、ここ?」「もう降りる?」「まだ先?」とかなり迷います。
途中で「ここかな」と思ったタイミングがありましたが、そのときは運転手に「まだ!いいから座ってて」と促されてしまう始末。
九份老街の入口に近づくと、車内の空気が急に変わり、座っていた乗客が一斉に立ち上がり、大勢の人がまとめて降りるバス停が現れます。
めちゃくちゃ人の降りるバス停があって、確信は持てないながらも降りたら、そこが九份でした。
バス停の周囲は殺風景な雰囲気で、バス停から少し坂をあがったところに展望台があり、近くに九份の看板もあります。そして、九份の入口の目印として有名なセブンイレブンも見えてきます。
九份老街の入口はセブンイレブンが目印、という情報をよく見かけると思いますが、九份老街の近くのバス停からは、目印のセブンイレブンが見えないので注意です。セブンイレブンが見えたらバスを降りよう、と身構えているとバスが九份を通りすぎていきます(次のバス停で降りても、九份観光はできるので大きな問題にはならないです)
ちなみにバスの運転手は、降りる駅に着いても「ここだよ」とは案内してくれず。大勢降りるから九份だってわかるよね、といった雰囲気でした。ひとこと言ってくれてもいいのに。
九份老街は「基山街」と「竪崎路」で雰囲気が変わる

九份老街を歩いてみると、エリアの雰囲気は大きく2つに分かれています。ひとつは、食べ歩きグルメやお土産店が並ぶ「基山街(ジーシャンジエ)」で、もうひとつが赤い提灯と急な石段が続く「竪崎路(ジューチールー)」です。
多くの人がイメージする九份らしい景色は、後者の竪崎路にあります。
基山街は比較的歩きやすく、九份グルメを楽しみながらぶらぶら散策できる通りです。芋圓スイーツ、台湾ソーセージ、小籠包、お茶屋さん、お土産店などがぎっしり並び、まさに九份観光のメインストリートという雰囲気でした。

竪崎路へ入ると、急な石段の両側に赤提灯が並び、一気にジブリ映画の「千と千尋の神隠し」ぽい九份らしい景色になります。
そして九份は「写真映えスポット」として紹介されることが多いですが、想像以上に坂と階段の街です。
実際に歩いてみると九份の階段はかなり急で、しかも段差の高さが微妙にバラバラで、雨の日はかなり滑りやすいです。歩きやすいスニーカーで行きましたが、かなり重要でした。
九份のがっかりポイントは人が多すぎること

混んでいるとは聞いていましたが、それでも九份は想像以上に混雑していました。九份といえば人混み、という旅の印象が残るくらいに混んでいます。
九份は狭い路地を通って観光するので、よけいに混雑を感じやすいところはあります。お昼から夕方にかけての時間帯も混んでいて、夕方から夜景が楽しめる時間帯にかけては、写真を撮るのも一苦労なほどに混雑します。
石段は観光客でいっぱいになり、場所によっては前に進みにくいほど。SNSでよく見る幻想的な九份のイメージとはかなり違いがあり、いい感じの構図で写真を撮るの大変です。幻想的な写真を撮るには、早朝や深夜など、人が少ない瞬間を狙う必要があります。
九份老街はかなり活気のある観光地で、のんびり観光できることを期待しすぎると、少しギャップを感じるかもしれません。
竪崎路の急階段のエリアでは、誰か一人でも足をすべらしたら、雪崩のように人が滑り落ちて大変なことになるのでは、という感じるくらいに混雑していました。親の体力が地味に心配になります。
ただ、それでも「九份へ来てよかった」と思えた理由があります。それが、茶芸館で過ごした時間でした。
九份茶坊のテラスか侘び寂びの海を満喫

九份は素敵な景色も魅力ですが、お茶屋さんでのひと時も大きな魅力です。かくいう私は、九份茶坊での台湾茶を楽しみにしていました。

茶芸館「九份茶坊」に入りテラス席に座って、お茶と茶菓子を運んでもらって、1時間半、ただぼんやりして過ごす。

テラスから見えたのは、山の向こうに広がる海で、いわゆる南国リゾートの絶景とは少し違いますが、どこか懐かしさを感じる景色は静かで渋い魅力がありました。
九份というと、赤提灯やレトロな建物ばかり注目されがちなのですが、実際に行ってみると、侘び寂びを感じる台湾の自然をのんびり楽しんだことが、九份観光で一番印象に残っています。

山と海と空が重なって、どこかもの悲しいのに美しい景色。それを茶葉の香りとともにテラスでゆっくり眺める1時間半は、混雑した老街を歩き回るより、深く九份を感じられる時間だったと思います。
人混みに疲れてきたら、混雑に抵抗するより茶芸館に逃げ込むがおすすめです。
ただ、人気のお茶屋さんは時期によっては混み合うので、九份茶坊のテラス席を絶対に抑えておきたい!という方は、事前に予約しておくこともおすすめです。
九份の茶芸館は「景色」で選ぶのがおすすめ

九份にはたくさんの茶芸館がありますが、お茶屋さん選びのおすすめポイントは、景色が見えるかどうかだと思います。とくにテラス席や窓際席があるお店がおすすめです。
今回の観光では老舗の九份茶坊を利用しました。九份の中でも人気の茶芸館で、レトロな建物の雰囲気と、静かにお茶を楽しめる空気感がかなり心地よかったです。
店内は観光地らしい賑やかさもありつつ、席に座ると不思議と落ち着きます。山の向こうに海が広がり、時間帯によって空の色も少しずつ変わっていきます。
料金は、お茶セットで1人NT$200〜500前後が目安です。九份全体で見ると決して安いわけではありませんが、「場所代込みの体験」と考えると満足感はかなり高かったです。
帰りのバスが大混雑!2本見送って日が暮れた

見落としがちですが、九份観光で一番気をつけたほうがいいのは、実は帰りのルートです。帰りは、観光客が一斉に台北へ戻ろうとするため、バス停がかなり混雑します。
「帰りが混む」という情報を見ていたので、バスが激混みになることを見越して、夕方の景色をたっぷり堪能するんじゃなく、ちょっと見たら帰路につくことにしました。
ところが、バス停へ行くとすでに長蛇の列。1本目は満員で、2本目も満員で乗車できず。待っている間に、九份の空はどんどん暗くなっていって日が暮れました。

夜になると人がいっきに減ってきて、提灯の光はあるものの、石段の路地はひっそりとして、少し心細い場所に九份は変わります。日本語も英語も通じる確証がなく、バスに乗れるかもわからない。
観光地だけど、山の上に取り残されるかも、台北に帰れなかったらどうしよう、という気持ちもでてきて、『千と千尋の神隠し』で夜が来て帰れなくなった千尋の気持ちがわかるような気がしました。
結局、3本目のバスでようやく乗ることができ、山を下って瑞芳駅(麓にある九份の最寄駅)へ。バスから台鉄のローカル線に乗り換えて台北に帰ります。
トラブルで帰りの電車が止まる

九份からバスで山を下り、瑞芳駅から台鉄へ乗り換えたあとは、「もう台北へ戻るだけ」と少し安心していました。
でも、その帰り道で思わぬトラブルが起きます。乗っていた電車が途中のよく分からない駅で突然停止したのです。
しばらく待っても動く気配がない・・・最悪です。
すると周囲の乗客たちが、ざわざわと動き始めました。次々に席を立ち、ホームへ降りていく。問題は、何が起きているのか全然分からないこと。
「このまま乗っていて大丈夫?」
「みんな乗り換えてるけど、ついて行くべき?」
「そもそも、どの電車に乗ればいいの?」
アナウンスも聞き取れず、状況が把握できない。周囲の人に英語で聞いても、うまく言葉が通じない。
これが完全な一人旅だったら、こういうトラブルもあるよねと気楽だったのですが、今回は両親が一緒です。さすがに台北のホテルまで、無事に早く帰りたいです。
「もし間違えたらどうしよう」というプレッシャーが大きくなります。
乗客の流れを見る限り、「おそらく乗り換えたほうがいい!」そう判断して、思い切って人の流れについて行くことにしました。
結果的には、その判断で正解。無事に台北へ戻ることができました!
ただ、途中で突然電車が止まり、状況が分からないまま判断を迫られたのは、今回の台湾旅行の中でもかなり焦った瞬間でした。
海外旅行はスマホで調べれば分かることも多いですが、急にその場で判断しなければいけない瞬間があります。九份の帰り道は、まさに海外旅行らしいトラブルでした。
自由に行きたい派でも、結局ツアーはかなり便利だと思った

今回、実際にバスと電車を使って九份へ行ってみて感じたのは、「ツアーが人気になるのも分かる」ということでした。
もちろん、自力で行くからこその面白さもあります。ローカルバスに乗って、少し不安になりながら山道を進み、現地の空気を感じる。それはそれで、かなり旅らしい体験でした。
ただ、その一方で、
- バスが本当に合っているのか不安になる
- 帰りの混雑がかなり大変
- 電車のトラブルに急に巻き込まれる
- 山道+乗り換えで想像以上に疲れる
など、自由移動ならではの大変さもかなりありました。
しかも今回は九份だけの話で、さらに人気の十分でランタン上げまで個人移動で回ろうとすると、かなりバタバタしたと思います。
実際、九份と十分はセットで観光する人が多くて、移動の楽さを考えると、現地ツアーを利用して観光するこが人気なことも納得です。
しかも最近のツアーは、自由時間ありのプランも多くて、「団体で流れ作業」という感じもありません。自分のペースで老街散策やお茶屋さんを楽しめるツアーも増えています。
特に今回感じたのは、「帰りが確定している安心感」の大きさでした。
九份の夜は本当にきれいです。でも日帰り個人移動だと、「帰りのバス並ばなきゃ」
「電車ちゃんと乗れるかな」という不安がずっと頭に残ります。ツアーなら、その心配をかなり減らせます。
初めての台湾旅行や、家族旅行、効率よく九份・十分を回りたい方なら、ツアーの満足度はかなり高いと思いました。
まとめ|九份は「大変だったけど、行ってよかった」と思える場所だった

自力での九份観光は、思っていた以上に大変でした。ローカルバスは本当に合っているのか不安になるし、帰りは大混雑。電車トラブルまで重なって、「無事に台北へ帰れるのか」と焦る場面もありました。
しかも九份は、SNSで見るような幻想的な場所というより、実際はかなり人が多い観光地です。だから、「思っていたのと違う」と感じる人がいるのもよく分かります。
それでも、最終的な感想は、「やっぱり行ってよかった!」です。
赤提灯の街並みに、山の上へ続く石段。茶芸館のテラスから見た、どこか懐かしい海の景色。そしてあの九份ならではの独特な空気感は、写真だけでは分からないものがあります。
特に、お茶を飲みながらぼんやり景色を眺めていた時間は、台湾旅行の中でもかなり印象に残る体験になりました。
もしこれから九份へ行くなら、
- 人混みは覚悟しておく
- 帰りの時間に余裕を持つ
- 茶芸館でゆっくりがおすすめ
- 不安ならツアー利用も検討する
この4つはぜひ意識してもらえたらなと思います。
九份の人混みの多さは、がっかりポイントではありますが、台湾旅行で行く価値はあるので、ぜひ参考にしてもらえたらなと思います。



