
ハノイの空港として知られるノイバイ国際空港(HAN)は、日本やアジア主要都市からの直行便が集まるベトナム北部のハブ空港です。
本記事では、ハノイ・ノイバイ国際空港の詳細から、乗り継ぎのコツ、市内へのアクセス方法にラウンジ情報と利用の仕方など、初めてのハノイ旅行に役立つ情報をまとめてご紹介します。
また、ハノイは空港から市内の旧市街まで約30kmとアクセスもよいので、なかにはノイバイ空港での長めのトランジットや、深夜便・早朝便の待ち時間を使って、短時間でも観光したい方も多いかと思います。空き時間を利用した観光についてもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
ハノイの空港「ノイバイ国際空港(HAN)」の基本情報
ノイバイ国際空港(Noi Bai International Airport/空港コード:HAN)は、ベトナム北部最大の国際空港で、首都ハノイの玄関口として国内外から多くの旅行者が利用しています。
空港があるのはハノイ市ソクソン区フーミン(Phú Minh, Sóc Sơn)で、ハノイ市内の中心部にある旧市街(ホアンキエム湖周辺)からみて、北へ約30kmの場所に位置しています。
ハノイ市内から空港までは、車でおよそ40〜60分が移動の目安です。ただし市内から空港までは、交通状況によって所要時間が大きく変わり、とくに朝夕の通勤ラッシュ時は道路が混雑しやすく、時間に余裕を持って行動することがおすすめです。
ハノイ市内とノイバイ国際空港を結ぶ主要ルートには、2015年に開通したニャットタン橋があり、道中で眺めることのできるソンホン川(紅河)の雄大な景色も見どころのひとつとなっています。
ノイバイ国際空港に発着する主な航空会社とフライト情報(国際線・国内線)

ノイバイ国際空港はベトナム北部最大のハブ空港として知られ、日本や東南アジア、欧米を結ぶ国際線と、ベトナム国内の主な都市を結ぶ国内線が多く発着しています。
ベトナム航空(Vietnam Airlines)は、ノイバイ国際空港を本拠地とし、成田・羽田・関西といった日本路線を含め各国へ直行便を運航しています。機材やサービスの質も高く、観光からビジネスまで幅広い旅行者に利用されている航空会社です。
コスト重視の観光客に人気の格安航空会社(LCC)としては、ベトジェットエア(Vietjet Air)などが乗り入れており、国内各都市や近隣諸国へのフライトで利用できます。
日本との直行便としては、日本航空(JAL)と全日空(ANA)のフライトが利用でき、いずれも成田・羽田からハノイへ運航しており、所要時間は約6時間です。
そのほか、大韓航空・アシアナ航空(ソウル)、キャセイパシフィック航空(香港)、シンガポール航空、タイ国際航空、エバー航空(台北)といったアジアの主要キャリアが多数就航。
欧米方面ではエールフランス航空(パリ)やカタール航空(ドーハ)をはじめとする中東・ヨーロッパ系の航空会社も運航しています。
国内線ではハノイ〜ホーチミン間が、世界で最も利用者の多い国内路線としても有名で、またベトナムの人気都市ダナン行きの便数も多く、ベトナム旅行での利用にも非常に便利な空港です。
ターミナルはT1(国内線)とT2(国際線)の2つ

ノイバイ空港のターミナルは、国内線専用のターミナル1(T1)と、国際線専用のターミナル2(T2)の2つです。
T1は主にベトナム航空やベトジェットエア、バンブー航空といった国内線が利用しており、格安航空会社の便も多く発着しています。
また、ウイングEと呼ばれるエリアでは、LCCのフライトを多く取り扱っています。施設自体はやや古く規模も控えめなため、利用者が集中する時間帯には混雑しやすいことが特徴です。
そのため、国内線を利用する際はチェックインや保安検査に時間がかかることを見込んで、余裕を持って空港に到着することがおすすめです。
T2は2014年にベトナム最大の国際ターミナルとしてオープンした建物で、日系航空会社のANAやJALをはじめ、世界各国のフルサービスキャリア(FSC)やLCCが乗り入れています。
T2は広々とした開放的な建物で、ラウンジや免税店、カフェやレストランなどの設備も整っており、近代的な空間で快適に過ごせることが魅力です。日本からのハノイ旅行では、多く方がT2を利用することになります。
T1とT2のターミナル間の移動方法について
もっとも一般的なハノイ空港でのターミナル間の移動方法は、無料シャトルバスの利用です。
T1とT2は約1〜2km離れており、徒歩での移動は難しいため、空港が運行する無料シャトルバスを利用して移動します。
ターミナル間の無料シャトルバスは、およそ15分〜20分の間隔で運行しています。移動時間は約10分ほどです。
乗り継ぎでターミナル間を移動する際も、空港内には案内表示が整備されているので、基本的には迷うことは少ないです。
乗り継ぎガイド(国際線⇔国内線のトランジット)
国際線からベトナム国内線へ乗り継ぐ場合
まず空港に到着したら、通常どおりベトナムの入国審査を受け、預け荷物がある場合はターンテーブルで受け取ります。
その後、到着ロビーに出て案内表示に従い、ターミナル1行きの無料シャトルバス乗り場へ向かいます。
バスはターミナル2の到着出口の近くから出ており、緑色の車体に「Shuttle Bus to T1」と明記されています。T1に到着したら国内線のチェックインカウンターで再度手続きを行い、保安検査を経て搭乗口へ進みます。
注意したいのは、国際線から国内線に乗り継ぐ場合、一度入国してからの手続きとなるため時間がかかることです。
最低でも2時間、できれば3時間以上の乗り継ぎ時間を確保しておくと安心です。とくに異なる予約で航空券を分けている場合などは、遅延や手続きの遅れを考慮して余裕を持っておきましょう。
ベトナム国内線から、国際線へ乗り継ぐ場合
他のベトナム都市から、ベトナムの国内線でハノイに到着した場合は、荷物を受け取り、到着ロビー を出た場所にある「Free Shuttle Bus to T2 Terminal」と書かれた乗り場からシャトルに乗車します。
T2に着いたら国際線の出発フロアに移動し、各航空会社のカウンターでチェックインを済ませます。国際線のカウンターには、出発の2〜3時間前に開くのが一般的です。
チェックインを済ませたら、手荷物検査・出国審査を経て搭乗ゲートへ進みます。
ハノイ市街地へのアクセス方法は4つ

ノイバイ国際空港からハノイ市内中心部(旧市街・ホアンキエム湖周辺)までは約30km、車で30〜40分ほどです。
移動手段は、タクシー、配車アプリ(Grab)、バス、送迎サービスの4つです。
タクシー
もっとも一般的で、予約なしで利用できる移動手段がタクシーです。到着ロビーを出たところに公式のタクシー乗り場があり、複数の車両が待機しています。
4人乗りのセダンから7人乗りのバンまで利用可能で、荷物が多い場合にも対応可能です。料金は市内中心部まで約40万〜50万ドン(2,000〜2,500円)が目安です。
市内までの所要時間は約40分ほどですが、道路状況によっては1時間ほど掛かる場合もあります。
タクシー利用の注意点は、白タクと呼ばれるぼったくりタクシーが存在すること。タクシーに乗車する場合は、必ず正規乗り場から乗車するようにしてください。
配車アプリ(Grab)
ベトナムで広く普及している配車アプリGrab(グラブ)も空港で利用できます。
アプリで車種やナンバープレートを確認でき、料金も事前に提示されるため、ぼったくりの可能性も低く利用できることも安心です。
料金はタクシーよりやや安く、中心部まで35万ドン前後が目安です。支払いもアプリ上で完結するので現金を使わずに済みます。
ただし、ネット接続が必要なため、到着後にSIMカードを購入するか、Wi-Fiに接続しておくことが必要。
注意点としては、意図的に遠回りされる可能性はあることと、空港内で「Grab」と声をかけてくる客引きは公式ドライバーではないので、騙されないよう注意が必要です。
路線バス
もっとも安く移動できるのが路線バスです。7番、86番、90番、109番の4系統が運行しており、運賃は1万〜4万5千ドン(約60〜270円)と安いです。
なかでも86番は観光客向けのバスで、空港から旧市街を経由し、ハノイ駅まで直行する便利な路線です。
ただし、他のバスは停留所が多く、乗り降りや乗車場所に不慣れな方には、ベトナム到着直後にバスでの移動はハードルが高めです。所要は約70分ほどが目安となり、混雑状況によってはさらに時間がかかります。
ミニバス/乗合バン
空港から市内までの移動方法として、民間会社が運行するシャトルタイプのミニバスもあります。
料金は1人あたり5万〜6万ドン程度とお手頃ですが、満席になるまで発車しないことが多く、思わぬ時間のロスにつながる場合もあり。
さらに、到着後に追加料金を請求されたという事例もあり、利用する際には十分注意が必要です。短期旅行者や初めて訪れる方には、あまりおすすめできません。
路線バスの近くで、ミニバスが勧誘してくるケースもあるので、間違って乗車しないよう注意も必要です。
空港送迎サービス

空港からハノイ市内まで、ぼったくりの心配もせずに安心して移動したい場合は、送迎サービスがおすすめです。
BUYMA TRAVELの送迎サービスなら、事前に日本語で予約ができ、さらに日本語に対応できるドライバーがハノイ市内のホテルまで送迎に対応します。
フライト遅延にも柔軟に対応し、ホテルまで言葉やトラブルに心配することなく、確実に移動できることが魅力です。とくに夜遅いフライトでの到着や早朝の到着、また小さなお子様連れや、シニア旅行者での利用に人気です。
料金はタクシーより少し高めですが、空港利用料や高速料金も含まれており、ぼったくりの心配が一切ない定額制ということもポイントです。
空港の暇つぶしにハノイを観光できる?

ハノイ・ノイバイ国際空港でのトランジットや、暇な空き時間を使って「少しでも観光したい」という方も多いかと思います。
実際のところ、短時間でのハノイ観光は可能ですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
まず国際線から国内線へ乗り継ぐ際には、一度入国審査を受けて荷物を受け取り、帰りには再度出国手続きが必要になります。時間帯や混雑状況によっては、予想以上に時間がかかることもあるため、余裕を持っておくことが大切です。
「旧市街を少し散策したい」といった軽めの観光でも、移動時間やフライトへの影響をしっかり考えておくと安心です。
もしスケジュールに不安があるときは、まずはハノイの現地ガイドに相談するのがおすすめです。
BUYMA TRAVELのガイドプランなら、入出国審査にかかる時間を踏まえた無理のないプランづくりまでご相談できます。ガイドは日本語対応で、気軽に相談できることもポイントなので、まずはぜひ詳細をチェックしてみてください。
ノイバイ国際空港のラウンジについて
ノイバイ国際空港には、航空会社が運営するラウンジと民間運営のラウンジがあり、国内線ターミナル1に2か所、国際線ターミナル2に3か所ラウンジが用意されています。
ベトナム国内線のターミナル1には、ソンホンプレミアムラウンジと、ベトナム航空が運営するビジネスクラスラウンジ。
日本からの観光客がよく利用する国際線ターミナル2には、ソンホンビジネスラウンジ、ベトナム航空が運営するロータスラウンジ、そしてANA・JAL指定のNIAラウンジがあります。
ソンホンプレミアムラウンジ(国内線)
ノイバイ国際空港ターミナル1にある「ソンホンプレミアムラウンジ(Song Hong Premium Lounge)」は、有料で利用できるラウンジです。プライオリティパスを持っていれば、ラウンジの利用料は無料です。
ラウンジは快適に過ごせる落ち着いた空間で、広々とした館内にはソファ席やワークスペースが整い、フライト前にゆったりと過ごせます。無料Wi-Fiや充電設備も完備されているので、ビジネス利用にも便利です。
ラウンジの食事はフォーや炒め物といったベトナム料理のほか、軽食やスナック、フルーツ、コーヒーや紅茶、アルコール類まで揃い、しっかり食事を取りたい人から、軽くつまみたい人どちらでも利用しやすいです。
営業時間は朝4時30分から夜23時まで、ラウンジの場所はターミナル1の3階、4番の搭乗ゲート近くにあります。
ソンホンビジネスラウンジ(国際線)
ソンホンビジネスラウンジ(Song Hong Business Lounge)は、国際線ターミナルにあるラウンジです。4階の搭乗ゲート28番の近くにあります。
ソンホンビジネスラウンジは、プライオリティパスを持っていれば無料で利用でき、パスを持っていなくても有料での利用が可能です。
営業時間は朝6時から深夜26:00までで、フォーや生春巻きといったベトナム料理から寿司や洋食、ビールやワインまで幅広く楽しめるビュッフェが人気。
ラウンジ内ではWi-Fiを利用することもでき、広々としたラウンジにはコンセント付きの座席も完備されています。
また、シャワールームもあるので、フライト前後にシャワー浴びたい方にもおすすめです。
ロータスラウンジ(国際線)
ロータスラウンジはスカイチーム系の航空会社(ベトナム航空を含む)の会員向けラウンジで、落ち着いた雰囲気の中で食事や休憩ができます。
広々とした空間にはソファやテーブル席が配置され、落ち着いた雰囲気の中でフライト前の時間を快適に過ごせます。
食事はフォーや生春巻きなどのベトナム料理から洋食、軽食、デザートまで幅広く揃い、アルコールを含むドリンクも充実。
無料Wi-Fiやビジネスコーナー、シャワールームも備え、長時間のトランジットや深夜便利用の際にも便利です。
ANAとコードシェアを行っているベトナム航空に搭乗する場合は、ANAの「ダイヤモンドサービス」「プラチナサービス」、そしてスーパーフライヤーズ会員もロータスラウンジを利用可能です。
NIAビジネスラウンジ(国際線)
NIAビジネスラウンジは、ANAやJALの指定ラウンジです。
館内はモダンで落ち着いた雰囲気があり、ソファ席やテーブル席が多く配置され、ゆったりとくつろげる広々とした空間。
食事はベトナム料理を中心に洋食や軽食も揃い、ビールやワインなどアルコール類を含むドリンクも充実しています。
無料Wi-Fiや電源設備があり、シャワールームやソファーチェアも設けられており、長時間の乗り継ぎや深夜便の待ち時間でも快適に過ごせます。
レストラン飲食施設
ノイバイ国際空港には、国内線・国際線それぞれのターミナルにさまざまな飲食店がそろっています。
ベトナム名物のフォー(米粉麺)やバインミー(ベトナム風サンドイッチ)を味わえるレストランから、カフェやファストフードチェーンが充実しているので、空港で食事を済ませることも可能です。
国内線ターミナル1には、ベトナム国内でも人気のスターバックスが入っており、サンドイッチやコーヒーを提供するカフェも営業しています。
国際線ターミナル2にも、到着・出発の両フロアにカフェや軽食スタンドがあり、出発エリアにも軽食カウンターやバーがあるなど、搭乗を待つ時間にちょっとした食事やドリンクを楽しめます。
ショッピング(免税店・土産店)
ノイバイ国際空港では、出発前や乗り継ぎの時間を利用してショッピングを楽しむことも可能です。
特に国際線ターミナル2の出発エリアには、ロッテの免税店「ロッテ・デューティーフリー(Lotte Duty Free)」をはじめとする免税店が並び、お酒やタバコ、香水、コスメといった定番の商品が揃っています。
有名ブランド品からベトナムならではのコーヒー豆やお茶、お菓子まで幅広く取り扱っているため、出国前に必要なものをまとめて購入することも可能です。
コーヒーの粉やインスタントタイプのベトナムコーヒー、チョコレートやクッキーなどのお菓子類、香り高い蓮茶やジャスミン茶といったお茶類、さらにドライフルーツやベトナムらしい民芸品・工芸品も豊富に揃っています。
国内線ターミナル1にも、小規模ながら土産物店があります。縁起物の置物やベトナムの伝統工芸品、地元のお菓子などを購入できます。
さいごに

ハノイ旅行の出発点となるノイバイ国際空港は、国内線・国際線それぞれに専用ターミナルを備え、日本からの直行便も多数就航している空港です。
市内中心部までのアクセス手段も豊富で、タクシーや配車アプリ、路線バス、プライベート送迎など、旅のスタイルに合わせた移動方法を選べます。
本記事を参考にして、ベトナム・ハノイの旅行を最高の形でスタートしてもらえたらと思います。
なお、ハノイ旅行で人気のハロン湾クルーズについては、以下にまとめているのでぜひ合わせてチェックしてみてください。
空港情報とあわせて、ベトナム・ハノイでは、市内から参加できるハロン湾クルーズツアーも大人気です。
また、時間に余裕のある旅行者には、ハノイから足を延ばして楽しめるハロン湾クルーズツアーも大人気です。
世界遺産に登録された壮大な景観を船上から眺めるハロン湾での体験は、一生の思い出になるので、もしもまでチェックしていない場合は、あわせてのご確認がおすすめです。
各クルーズの詳しい内容は「ハロン湾クルーズまとめ」記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。



