
台北MRT(台北捷運)が、全117駅・全1,396基の改札機でクレジットカード・デビットカードおよびスマートフォン決済によるタッチ乗車を全面導入しました。
桃園空港MRTや高雄MRTなど、一部ではすでに対応していたものの、台北市内を走る本線だけが長らく対象外となっていました。
この記事では、日本から旅行する時に気になる「どのカードが使えるのか」「悠遊卡(EasyCard)はもう不要なのか」といったポイントを、BUYMA TRAVELがわかりやすく整理してお届けします。
クレカタッチ導入までの流れ
今回の全面クレタタッチの導入は、実は段階を踏んで準備が進められてきました。まずは青いプラスチックのトークン型の乗車券をQRコード乗車券に変え、スマホアプリの対応、そしてクレカ対応という流れです。
- 2025年10月:全駅の改札機を電子決済対応にハード更新完了
- 2026年1月:QRコード乗車を先行導入。台新銀行発行カードで試験運用を開始
- 2026年3月:公式アプリ「台北捷運Go」でQRコードの片道乗車券サービス開始
- 2026年7月1日:クレジットカード・スマホ決済を全面導入(今回のニュース)
クレカタッチ対応の発表は、台北市長・蔣萬安が2026年6月30日の記者会見でされ、翌7月1日から正式スタートとなっています。
なお、これまで親しまれてきた台北メトロに乗車する時に使う青いトークン(コイン型乗車券)は、乗車券のデジタル化にともない完全廃止が予定されています。
また、台湾メトロでの対応となるため、台湾の路線バスではクレジットカードを直接タッチしての乗車はできません。
Visa・Mastercard・JCBはOK!Amexは対象外

台湾メトロの移動がスマホやクレジットカードのタッチ決済で完結するのは、これから台湾に旅行する方にとっては、台湾で切符の買い方に戸惑わなくてよくなることが大きなメリットです。
ですが、まず気になるのは「自分が持っているカードは使えるのか?」ということです。台北捷運公司および台湾主要メディアの報道をもとに整理すると、結論はシンプルです。
使えるブランド:Visa/Mastercard/JCB
使えないブランド:American Express(アメックス)
日本人観光客が主に持っているVisa・Mastercard・JCBは、いずれも問題なく利用できます。
一方でアメックスは対応ブランドの発表リストに含まれておらず、現時点では改札を通れないと考えておいたほうが安全です。台湾の店舗では使える場面が多いアメックスですが、MRTの改札では対応に時間がかかる可能性があります。
※Discover・Diners Clubも対応対象に含まれると報じられています。
スマホ決済もOK。iPhoneなら画面ロック解除なしで通過も
クレジットカード決済だけでなく、Apple Pay・Google Pay・Samsung Payといったスマホ決済にも台湾メトロと対応なります。
例えば、iPhoneユーザーであれば「エクスプレスカード(快速交通モード)」を設定しておくと、画面ロックを解除せずワンタッチ・約1秒で改札を通過できるようになります。
ただし、残念ながら日本のSuicaやPASMOといった、日本の交通系ICカードは利用できません。
デビットカード・プリペイドカードは要注意
公式には「簽帳金融卡(デビットカード)」も対応と明記されているため、制度上は利用可能です。
ただ、すでに対応済みの桃園空港MRTや高雄MRTでの利用者報告を見ると、デビットカードやプリペイド式カードは出場時(改札を出るタイミング)にエラーが発生しやすいという声も上がっています。
特に日本発行のプリペイド型カードは相性が悪いケースがあるようなので、メインのクレジットカードを使い、プリペイドカードはあくまでサブとして考えておくのが無難です。
事前登録は不要!いつものカードをそのままタッチ
うれしいポイントとして、台湾メトロのタッチ決済は、事前登録などの手続きも基本的に必要なく利用できます。
タッチ決済対応マークがついている通常のVisa・Mastercard・JCBカードであれば、日本で普段使っているものをそのまま改札にタッチするだけで通過できます。
Apple Pay・Google Payを使う場合も、すでにウォレットへカードを登録済みであれば追加の海外設定は不要です。
クレカで台湾メトロを利用すれば、為替レートの関係で現金両替よりお得になる?

クレジットカード・デビットカードで海外決済した場合、請求額は利用した瞬間のレートではなく、利用データが国際ブランドに届いた日の基準レートで計算されます。
改札を通った瞬間にレートが確定するわけではなく、数日ズレることがある点には注意です。
この基準レートに加えて、カード発行会社が課す「海外事務手数料」(概ね1.6〜3.8%程度)が上乗せされます。
結論として、気になるのがお得になるのか、損する可能性があるのか?
ホテルや免税店、空港の一部両替所など、レートが悪く手数料も高い場所で両替するよりは、カードの為替レートのほうがお得になることが多いです。
両替した台湾ドルが使い切れず、余って再両替してしまうと為替の差額で二重に現金が減ってしまうことも避けられます。
一方で、台湾銀行の市内店舗など、レートが良く手数料も低い両替と比べると、カード決済が必ずお得というわけではありません。
そもそも台北MRTの運賃はNT$20〜65程度(日本円で約100〜300円)と非常に安いため、レート差による損得は1回あたり数円〜十数円のレベルです。
なので「レートで得する」というよりは、両替やICカード購入の手間がゼロ!という利便性こそが、今回の台湾メトロのタッチ決済対応のメリットといえそうです。
悠遊卡(EasyCard)はもう不要になる?
交通系ICカードの悠遊卡・一卡通などは、もちろん今回の変更後もそのまま使えます。しかも、クレジットカードタッチより優遇される点もあるので、この違いは知っておいて損はありません。
- 悠遊卡は事前チャージ式(前払い)、クレカタップは後払い(後日カード請求)
- 乗り継ぎ割引・常客優惠(利用回数・金額に応じた割引)は悠遊卡などのICカードのみ適用されます。クレジットカード決済は、この割引適用はありません。
短期の旅行者にはカード購入・チャージの手間がゼロになるクレカタップが便利ですが、台湾では頻繁にMRTに乗る・バスにも乗り継ぐ・コンビニでも利用したいという人には、引き続き悠遊卡のほうがお得でもあります。
クレカタッチ決済のセキュリティ面は大丈夫?
なかには台湾メトロでクレジットカードを利用しても大丈夫?カード情報が盗まれない?ということが心配な方もいるかもしれません。
クレジットカードのタッチ決済は、EMVという世界的なセキュリティ規格に準拠しており、取引ごとに異なる暗号化データが生成される仕組みです。
店員にカードを渡す必要もないため、スキミングなどのリスクも従来の磁気決済より低いとされています。
もちろんカード自体を紛失・盗難された場合の不正利用リスクは残ります。
台湾は治安の良い海外旅行先ですが、人混みになる夜市をはじめ隙だらけの日本人旅行者をターゲットにしたスリ・盗難は発生しています。
クレジットカードを人前で晒すことは、旅行者であることを周囲に知らせる行為にあたるので、くれぐれも治安のよい台湾だから大丈夫と油断だけはしないようご注意ください。
まとめ

2026年7月1日からの台北MRTのクレカタッチ乗車全面導入は、台湾に旅行する日本人にとっては、観光が便利になる大きなメリットです。
普段使っているVisa・Mastercard・JCBカード、またはApple Pay・Google Payをそのままタッチするだけで、悠遊卡の購入やチャージの手間なく台北市内を移動できるようになりました。
ただし、台湾のバスに関しては、クレジットカード決済には非対応です。
もし台北の市内観光や、台北から行く九份・十分ランタン飛ばしを効率よく、気兼ねなく楽しみたい場合は、バイマトラベルの日本語ガイドによる現地ツアー、プライベートツアーも人気です。
移動手段の心配なく、地元ガイドならではの視点で台北をめぐることができるので、これから台湾旅行を考えている方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。

