シンガポールに日系ホテルはない？日本人に人気の快適＆安心ホテルを厳選紹介！

近年、日本人観光客にとってシンガポールはますます身近な旅行先となっています。街の清潔さや治安の良さ、アクセスの良さに加え、グルメや観光、ショッピングが凝縮された都市型観光地として高い人気を誇ります。

一方で、「英語が不安」「日本語の案内があるホテルに泊まりたい」「ウォシュレットのある部屋でくつろぎたい」といった、日本人ならではのホテルニーズは依然として根強いものです。

そこで本記事では、日本語対応や日本人に優しいサービスが受けられるおすすめホテルを最新情報と共に徹底解説します。特に日本語対応スタッフの在籍状況や、ウォシュレット完備ホテル、さらにエリアごとの選び方まで、旅行前に知っておくべき情報を網羅しています。

シンガポールに日系ホテルが少ない理由とは

日本資本のホテル進出状況

シンガポールには日本のホテルチェーン（オークラ、プリンス、東横イン、ルートインなど）の直営日系ホテルは存在しません。これは東南アジア諸国の中でも特異な状況です。

かつては「ホテルニューオータニ・シンガポール」が存在していましたが、2004年に運営権が変更され、現在は「ノボテル・シンガポール・オン・スティーブンス」としてフランス資本によって運営されています。

この背景には以下のような要因が複合的に絡んでいます：

• 日本のホテルチェーンによる海外進出の遅れ
  1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本企業全体が海外投資に対して慎重になり、ホテル業界も例外ではありませんでした。そのため欧米系・アジア系外資が積極的に展開するなか、日本勢は後れを取った形です。
• 土地取得と運営コストの高さ
  シンガポールは地価が非常に高く、観光地の中心に大型ホテルを建てるには膨大な初期投資が必要となります。さらに人件費やライセンス費用なども高水準で、リスク分散を重視する日本企業にとってはハードルが高い市場とされています。
• 外資誘致政策と国際チェーンの優遇環境
  シンガポール政府は観光開発を国策と位置づけ、欧米の有力ホテルチェーンを積極的に誘致してきました。国家戦略として統合型リゾート（IR）を整備し、そこにはラスベガス・サンズ社（マリーナベイサンズ）やゲンティン社（RWS）といった外資が大規模投資を行っています。こうした状況下で、日本資本が入り込む余地は限定的なのが実情です。

国際ブランドで十分にニーズが満たされている現実

もう一つ重要なのが、日系ホテルでなくても日本人旅行者の満足度が非常に高いという点です。

シンガポールに進出しているリッツ・カールトン、マリオット、ヒルトン、セントレジス、シャングリ・ラなどの国際的ホテルブランドは、世界中のVIPやビジネスパーソンを迎える経験を持っており、多言語対応や文化的配慮を高水準で実現しています。

実際、「日本語が通じなくても不便を感じなかった」「英語が苦手でもスタッフが丁寧に対応してくれた」という声が多く寄せられており、国際的なホスピタリティの高さそのものが日本人旅行者の安心感につながっているのです。

日本語が通じるシンガポール主要ホテル一覧

シンガポールに日系ホテルはないものの、国際的な高級ホテルの中には日本人ゲストへの対応に力を入れているところもあります。ここでは、「日本語での案内や対応を重視したい方」におすすめのホテルを5つ厳選しました。いずれも日本語スタッフの在籍、または日本語サポート体制が確認できた施設です。

① ザ・リッツ・カールトン ミレニア シンガポール

高級ホテルの代名詞とも言えるリッツ・カールトン。ベイエリアの中心に位置し、マリーナベイの絶景を望める客室と美術館のような館内空間が魅力です。日本人スタッフが複数在籍しており、フロントには日本語が通じる専用カウンターも設置されています。
バスタブ完備で、TOTOの温水洗浄便座付きスイートも一部あり、ハード面でも日本人に快適。レストランやキッズプログラム「リッツ・キッズ」も充実しており、家族旅行にも適しています。日本語での事前問い合わせにも丁寧に対応してくれるので、滞在中だけでなく出発前から安心できるホテルです。

② マリーナベイサンズ (Marina Bay Sands)

空中インフィニティプールで有名なマリーナベイサンズは、観光・宿泊施設としての規模が群を抜いており、日本人旅行者の利用も非常に多いホテルです。日本語予約窓口が公式に設けられており、予約・変更・問い合わせを日本語で行えるのが特徴。
また、現地には日本語を話すスタッフが在籍し、チェックインカウンターでの対応や館内案内もサポートされます。プール利用のルールや注意点なども日本語資料が提供される場合があり、「英語が苦手な方でも一度は泊まってみたい」シンガポール屈指のランドマークホテルです。

③ ザ・セント・レジス・シンガポール

静かな高級住宅街に位置するセント・レジスは、買い物に便利なオーチャードロードにも近く、落ち着いた滞在を望む方に好評です。コンシェルジュデスクには日本人スタッフが常駐（※シフトによるため事前確認推奨）。
客室はすべてにバスタブ付き、内装も優雅で女性旅や記念日旅行にもおすすめ。レストランスタッフの一部も日本語対応に慣れており、特に「一流の接客を安心感を持って受けたい」方にはぴったりのホテルです。

④ コンラッド・センテニアル・シンガポール

ヒルトングループに属するコンラッドは、国際会議場や巨大モール「サンテックシティ」に隣接し、ビジネス利用にも便利な立地です。日本語スタッフが複数在籍しており、フロントやゲストリレーションでの日本語対応が可能。
朝食ビュッフェには和食コーナーがあり、長期滞在でも食事に困りません。枕の種類が15種類から選べるサービスや、希望者には浴衣の貸出もあるなど、日本人へのきめ細やかな対応が光ります。

⑤ パン パシフィック シンガポール

マリーナスクエア内にあり、MRT2駅から徒歩圏の好立地。館内は吹き抜けの巨大アトリウムで開放感があり、ファミリーにもカップルにもおすすめのホテルです。
日本語スタッフの在籍は確認されており、日本語の資料も用意されることが多く、滞在中の案内も安心。特にファミリー向けに「アーバン・ジャングル・スイート」やプレイルームなど、子連れ旅行に特化した施設・サービスが揃っている点も高評価です。

エリア別：日本語対応スタッフ常駐・おすすめホテル

シンガポールのホテル選びで重要なのが「エリア選び」です。都市国家でありながら多彩な顔を持つシンガポールでは、エリアごとに滞在の雰囲気や利便性が大きく異なります。
ここでは日本語対応や日本人に好まれる設備・立地を軸に、エリアごとのおすすめホテルを解説します。

オーチャードエリア：ショッピングに便利なホテル

シンガポール随一の繁華街「オーチャード」は、高島屋や伊勢丹といった日系デパート、ブランドショップが立ち並ぶショッピング天国。MRTも複数路線が通り、アクセス面でも優秀です。

• ザ・セント・レジス・シンガポール
  落ち着いたエリアにありながら徒歩圏でショッピングモールへ行ける立地が魅力。日本人スタッフ常駐で、初めてのシンガポール旅行でも安心です。
• JEN オーチャードゲートウェイ シンガポール
  MRTサマセット駅直結の中価格帯ホテルで、全室にTOTO製温水洗浄便座を完備。お手頃価格で快適性を求める方に最適です。
• グッドウッドパークホテル
  植民地時代の面影を残す格式あるホテル。日本語が話せるスタッフが在籍しており、クラシカルな雰囲気の中で落ち着いた滞在が可能です。

オーチャード周辺は、買い物と利便性を重視する方におすすめのエリアです。日本語案内の表示が多く、街全体に“日本人慣れ”した空気があります。

マリーナエリア：夜景と観光スポットを満喫

マーライオン、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、マリーナベイサンズ…観光名所が集まるこのエリアは、特に初めてのシンガポール旅行者に人気です。高層階からの夜景も見逃せません。

• ザ・リッツ・カールトン ミレニア
  ベイエリア屈指のラグジュアリーホテルで、日本人専用カウンターの設置や日本語資料の用意など、安心のサポート体制。
• マリーナベイサンズ
  日本語の公式予約窓口と日本人ゲスト対応の仕組みが整った、シンガポールを代表するランドマークホテルです。
• パン パシフィック シンガポール
  家族連れにも対応する柔軟な施設構成。MRT駅からのアクセスも良く、観光・ビジネスの拠点として使いやすいホテルです。

夜景を楽しみながら、観光の拠点にもなるマリーナエリアは、豪華な滞在を求める旅行者にぴったりです。

セントーサ島：家族連れに人気のリゾート空間

テーマパークやビーチ、アクティビティが集まるセントーサ島は、ファミリー旅行や2回目以降の旅行者におすすめのエリア。リゾート感にあふれ、ゆったりとした時間を楽しめます。

• シャングリ・ラ ラサ セントーサ リゾート＆スパ
  島内唯一のビーチ直結リゾート。キッズクラブやプールが充実しており、家族旅行には理想的な環境です。日本語対応スタッフが不在の場合もありますが、サービスは非常に親切です。
• リゾート・ワールド・セントーサ（RWS）内ホテル
  ユニバーサル・スタジオなどのアトラクションが集中する複合リゾート。ホテルによって日本語対応度は異なるため、事前確認が重要です。

セントーサは観光よりも滞在自体を楽しむ目的の方に適したエリアです。日本語対応の確実性は市街地より下がるものの、サービス品質自体は高水準です。

クラークキー＆リバーサイド：ナイトライフが充実

夕方以降に活気を増すナイトスポット「クラークキー」は、バーやレストランが立ち並ぶリバーサイドの人気エリア。大人の滞在や短期旅行者に人気です。

• パラドックス シンガポール マーチャントコート
  MRTクラークキー駅直結で便利。日本語スタッフは常駐ではないが、以前は日本人対応実績もあり、立地の良さが最大の魅力です。
• グランド・コプソーン・ウォーターフロント
  少し離れたロバートソンキー沿いにある落ち着いた高級ホテル。日本語表示や案内が充実しており、日本人ツアー利用も多いです。

このエリアはナイトライフを重視する方や、静かな川沿いで非日常感を楽しみたい旅行者におすすめです。

日本人旅行者に嬉しいポイント：全室ウォシュレット完備のホテル

海外旅行で地味に困るのが「トイレの使い心地」。特に日本人にとっては、温水洗浄便座（ウォシュレット）の有無が滞在の快適さを大きく左右するポイントです。

実際、シンガポールの高級ホテルでもウォシュレット完備はまだ一般的ではありません。しかし近年、一部のホテルではTOTO製など日本ブランドの温水洗浄便座を標準設備として導入しており、「海外でも日本と変わらない快適さを求めたい」旅行者に支持されています。

ここでは、全室ウォシュレット完備を公式に確認できたホテルを2つご紹介します。

① JWマリオット・ホテル シンガポール サウスビーチ

おすすめタイプ：快適性を最重視する旅行者、記念日滞在、出張者

ベイエリアと市街地を結ぶ利便性の高いロケーションに位置するJWマリオット・サウスビーチ。デザイン性の高い近未来的な外観が特徴で、各種受賞歴も多い高級ホテルです。

このホテルの最大の特徴のひとつが、全室にTOTO製ウォシュレットが設置されていること。トイレとバスルームがしっかり独立しており、衛生面でも使いやすさでも抜群です。

また、客室には大理石のバスタブも備わり、バスルームの快適性はシンガポール屈指。館内のレストランやバーもスタイリッシュで、大人の都会滞在を演出してくれます。

ただし、日本語対応のスタッフはいないため、言語に不安のある方は事前の問い合わせや旅行会社のサポートを活用するのがおすすめです。

② JEN オーチャードゲートウェイ シンガポール

おすすめタイプ：コスパ重視派、女性グループ、初めてのシンガポール旅行者

MRTサマセット駅直結という絶好の立地にあるJENホテル。シャングリ・ラ系列の中価格帯ブランドで、手頃な料金ながら高品質なサービスが受けられると評判のホテルです。

最大の魅力は、全室にTOTOの温水洗浄便座「エコウォッシャー」完備であること。ホテル全体が比較的新しく、客室の清潔感と機能性の高さに定評があります。

さらに、屋上にはインフィニティプールがあり、シンガポール市街を一望できる抜群の眺望が楽しめます。価格帯としては1泊3万円前後と、ウォシュレット完備ホテルとしては非常にリーズナブルです。

日本語スタッフは在籍していませんが、オーチャード周辺には日本語の案内や看板が多く、観光にも困りにくい環境です。

全室でなくても一部客室にウォシュレットを導入しているホテル

「全室完備」ではないものの、スイートルームやクラブルームなど上位クラスに限ってウォシュレットを設置しているホテルもあります。たとえば：

• ザ・リッツ・カールトン ミレニア：一部スイートルームにTOTO製ウォシュレットを設置
• パン パシフィック シンガポール：上位カテゴリーの客室で導入が進行中

予算に余裕があり、より快適なバスルームを求める場合は、これらのホテルでアップグレードを検討するのも良いでしょう。
事前にホテルへ直接確認するか、日本語予約窓口を活用するのがおすすめです。

知っておきたい！日本語サポートを受けるための事前準備

「日本語が通じるホテル」と聞くと、つい全面的に日本語対応を期待してしまいますが、実際のところ、常時日本語対応が可能なホテルは非常に限られています。
大半のホテルでは、「日本語が話せるスタッフが在籍しているが、シフトや曜日によって対応できない時間帯もある」というのが実情です。

そのため、日本語でのサポートを希望する場合は、事前にいくつかの準備をしておくことが大切です。ここでは、安心してシンガポール滞在を楽しむための準備方法をご紹介します。

① 予約時に「日本語対応希望」を伝えておく

日本語が話せるスタッフが在籍していても、宿泊者の希望が事前に伝わっていないと、チェックイン時に対応してもらえないことがあります。
予約時の備考欄や、公式サイトからの問い合わせフォームで、「可能であれば日本語スタッフによる対応を希望します」と伝えておくことで、ホテル側も配慮しやすくなります。

とくにリッツカールトン、セントレジス、コンラッドのように日本人対応経験の豊富なホテルでは、このような事前リクエストが丁寧に扱われることが多いです。

② 日本語の予約窓口を活用する

マリーナベイサンズやパンパシフィックホテルグループなど、一部のホテルは日本語による電話・メール対応窓口を設けています。
英語のやりとりに不安がある方は、日本語専用の予約デスクを通じて宿泊や特別リクエストを依頼するのが安心です。

また、HISやJTBなどの日系旅行代理店を通じてホテルを手配すれば、現地でのサポート体制も含めて「日本語対応」の保証を受けやすくなります。

③ 翻訳アプリや定型フレーズを活用

日本語対応スタッフが不在の場合でも、Google翻訳などの無料アプリや、指さし会話帳、定型フレーズカードを活用すれば、基本的なコミュニケーションは問題なく行えます。

例えば：

• “Do you have a Japanese-speaking staff?”（日本語の話せるスタッフはいますか？）
• “Please write it down.”（書いていただけますか？）

など、簡単なフレーズをあらかじめ用意しておくと、いざという時に役立ちます。

④ 日本語で書かれた館内案内や案内図をリクエスト

一部のホテルでは、日本語で書かれたチェックイン案内やルームサービスのメニュー、館内マップを用意している場合があります。
チェックイン時に「日本語の案内はありますか？」と尋ねてみるだけで、滞在中の不安がぐっと減ります。

⑤ トラブル時の日本語サポート先をメモしておく

万が一、現地でトラブルが起きたときに備えて、旅行会社の緊急連絡先や、シンガポールの在外公館、日本語対応可能な医療機関の情報を控えておくことも大切です。

たとえば：

• BUYMA TRAVELで現地日本語ガイドを手配している場合 → チャットで即時相談可
• 在シンガポール日本大使館 → 緊急時の問い合わせ対応あり

言語不安を理由に旅先で萎縮してしまうのはもったいないことです。ほんの少しの準備で、不安は驚くほど減らせます。

まとめ：シンガポールで快適に過ごせるホテル選びのポイント

シンガポールには、いわゆる「日系ホテル」は存在しません。しかし、だからといって快適な滞在ができないわけではありません。
実際には、日本人旅行者のニーズを熟知した外資系の高級ホテルや中価格帯ホテルが、日本語対応や設備面で非常に高水準なサービスを提供しています。

ホテル選びの際に意識したいポイント

• 日本語スタッフ在籍の有無は「常駐」ではなく「在籍」という観点で確認
• TOTO製ウォシュレットの有無など、バスルームの快適性も要チェック
• 観光・ショッピング・ナイトライフなど目的別にエリアを選ぶのが成功のカギ
• 日本語予約窓口や旅行会社を経由すれば、安心度が一段上がる
• 多少の英語サポートを補う準備（翻訳アプリ、定型フレーズ）も有効

目的別におすすめのホテルスタイル

旅行タイプ	おすすめホテル	理由
初めてのシンガポール旅行	マリーナベイサンズ、リッツカールトン	日本語サポート＋観光アクセス抜群
女性同士・母娘旅行	セントレジス、JWマリオット	設備・バスタイム重視の高級感
ファミリー旅行	パン パシフィック、シャングリ・ラ セントーサ	キッズフレンドリー＋日本語案内あり
コスパ重視派	JENホテル	ウォシュレット完備＆駅直結の立地
ナイトライフ重視派	パラドックス・マーチャントコート	クラークキー徒歩圏＆夜遊びに便利

視野を広げれば、日系でなくても“日本人向け”なホテルはたくさんある

この記事で紹介したように、リッツカールトンやコンラッド、セントレジスといった国際ブランドのホテルは、日本人旅行者の満足度が非常に高く、実質的には「日系ホテルに近い」体験が可能です。

また、ウォシュレット完備というハード面でも、JWマリオットやJENホテルのように日本式の快適さを実現しているホテルも増えてきました。

「日系ホテルがないから不便かも」と不安に思っていた方も、視点を変えれば“日本人好みの快適なホテル”は十分に選べる時代になっています。

最後に：安心と快適さは、自分に合ったホテル選びから

旅行の満足度を左右する要素のひとつが「ホテルの過ごしやすさ」です。
シンガポールのホテル事情を正しく理解し、必要なサポートや設備を事前に確認することで、現地でのトラブルやストレスを未然に防ぐことができます。

ぜひ本記事を参考に、あなたにとって理想のホテルを見つけてください。そして、安心感と快適さを両立させたシンガポール滞在を楽しんでいただければ幸いです。