台湾には多くの寺院やパワースポットが存在するのですが、なかでも特に人気が高いのが台北にある龍山寺です。
龍山寺は台湾の伝統的な文化が色濃く反映されており、台北を訪れる観光客だけでなく地元の人々も参拝に訪れる神聖なスポット。
寺院に祀られている神様はなんと100柱以上にものぼり、恋愛成就から商売繁盛まで、あらゆるご利益があり、台北のパワースポットのなかでも「最強」と呼ばれています。
強力なパワースポットを観光することで、運気アップが期待できる龍山寺。その魅力とご利益の秘訣を深掘りしながら、参拝方法やおみくじの引き方、台北市内からのアクセスについてご紹介します。
龍山寺はどんな寺院?
1738年に建立された龍山寺(ロンシャンスー)は、台北で最も古い寺院です。2018年には国定古跡に認定され、格式が最も高い寺院とされています。
寺院の建築様式は伝統的なスタイルで、精緻な彫刻や壮麗な装飾が施されています。寺院は、「三川殿」と「正殿」、「後殿」という三つの主要部からなり立っており、道教や民間信仰をはじめ100を超える多くの仏像が祀られています。
受けられるご利益は「学問」「恋愛」「合格祈願」「商売繁盛」「厄除け」「病気平癒」と、どんな願い事も聞き入れられると評判で、龍山寺は「ご利益のデパート」とも呼ばれています。
台湾には「金紙」を燃やして、神様やご先祖さまにご利益をお願いしたり、日々の生活お祈りする「拜拜(バイバイ)」という習慣があり、旧暦の1日と15日やお正月はとくに多くの参拝者が訪れます。
地元の人々が熱心にお祈りを捧げる神聖な場所でもある龍山寺。もともとは海を渡ってきた漢民族の移民たちによって建設され、彼らが新しい土地での安全と繁栄を願って設立されました。
龍山寺は多くの災害や戦禍による被害も受けているのですが、数々の修復を経て、人々の信仰を集める寺院として今の地位を確立しています。
龍山寺の参拝ルートとお参りの仕方
龍山寺を訪れる際は神聖な雰囲気を感じながら、地元の作法にあわせた正しい参拝ルートとお参り方法を守ることが大切です。
台湾の参拝の作法は日本の寺院とは異なるので、台湾式の正しいお参り手順についてご紹介します。
入口は右手側
龍山寺は入口が決まっています。龍山寺の前殿に向かって、右手側がにある「龍門」が入口です。
門をくぐる時は、敷居は必ずまたぐことが注意点。敷居を踏みつけてはならないのは、日本の寺院を参拝する作法と同じです。入口「龍門」をぐぐる際は、左あしから敷居をまたいで入ってください。
「入口」という表記もあり、また地元の参拝者もいるので流れに続いて入れば、迷うことはありません。
参拝ルート
右側の入口から境内に入ったら、右まわり(反時計まわり)にぐるりと境内をめぐり、左側の「虎門」から出てくるのが参拝ルートです。
境内をめぐる参拝ルートは、三川殿(前殿)、圓通宝殿(正殿)、後殿です。
参拝は一方通行がお作法となります。
お祈りの仕方
台湾でのお参り方法は、両手を合わせての3礼です。
神様に「名前、生年月日、現住所」を伝え、正面で手を合わせて、頭を3回下げて参拝します。
三川殿の三宝仏(前殿)
最初に参拝するのは、三宝仏「釈迦如来」「阿弥陀仏如来」「薬師如来」が祀られている三川殿です。
台湾でのお参り方法にならい、「名前、生年月日、現住所」を神様に心の中でお伝えして、両手を合わせての3礼します。
龍山寺のお祈りといえば、以前までは線香をあげることも定番でしたが、現在は火災防止と環境問題の観点から2020年に禁止となりました。
圓通宝殿(正殿)
三川殿に続いて、正殿に参拝します。正殿にはご本尊の観世音菩薩が祀られています。
龍山寺は第二次世界大戦中の空襲によって壊滅的なダメージを受けたのですが、ご本尊の観世音菩薩だけは無傷で難を逃れたことで有名です。
奇跡的に無事だった観世音菩薩の強力なご利益から、いまも参拝する人々は絶えず、熱心な信仰を集めています。
なお正殿には観世音菩薩だけでなく、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、普賢菩薩(ふげんぼさつ)といった仏教の神々が祀られています。
正殿の見どころ
黄金に輝く正殿では、輪廻を象徴している円形天井に注目です。天井を見上げると、そこには8頭の龍が螺旋状にうずをまいて、32組の層を成しています。
驚くべきことに一本の釘も使用されていないそうで、技術的な完成度の高さから国宝にも指定されています。
後殿
道教や民間信仰をはじめ、あらゆる神々が祀られているのが後殿です。
学問、商業、恋愛、健康、子宝など、さまざまを司る神様がそろっているので、「願いごと別にお目当ての神様にお参り」できます。もちろん全ての神様にお参りしても大丈夫です。
後殿の参拝でとくに人気のある神様をご紹介します。
学問の神様である文昌帝君(ぶんしょうていくん)
学生にとくに人気があり、試験や勉強の成功を願って訪れる人々でいつも賑わっています。いわゆる受験の神様で、受験生とその親御さんが熱心に祈りを捧げています。
文昌帝君は知恵と学識を司るので、新たな学問を始める際や重要なテストを控えているなら参拝すると良いでしょう。
もし文昌帝君にお供え物をするなら、縁起を担いだネギ、大根、包子をご用意ください。
商業の成功を願うなら関羽(かんう)
関羽は義理と勇気の象徴であり、ビジネスでの誠実さと成功を求める多くの経営者や商人に信仰されています。
関羽の神像の前で祈りを捧げ、商売繁盛や事業の発展を願うことができます。
恋愛や良縁を求めるなら月下老人(げっかろうじん)
恋愛成就や良縁を結ぶことで知られているのが月下老人です。とくに女性から人気を集めています。
恋人が欲しい、結婚を望むといった恋愛をお祈りするなら、月下老人のもとを訪れてください。月下老人のもとで祈れば、運命の人との出会いに繋がるでしょう。
月下老人は運命の赤い糸を司る神様でもあり、ここでは実際に赤い糸をいただくこともできます。
健康を願うなら華陀仙師
華陀仙師は古代中国の名医であり、今も多くの人々に健康と長寿をもたらす神として崇拝されています。
病気の治療や健康維持を祈願する場合は、彼の神像の前で祈りを捧げます。
子宝や安産を願う人々は註生娘娘(ちゅうしょうにゃんにゃん)
註生娘娘は受胎を司る神様です。子どもの誕生と母親の安全を見守る役割を持ち、妊娠を望む夫婦や安産を願う妊婦にご利益があります。参拝客は出産前、そして出産後のお礼参りに訪れます。
台湾おみくじの引き方
龍山寺では台湾式のおみくじを引くことができます。
龍山寺のおみくじは、竹筒から棒を一本引き出す形式をなのですが、棒を引く前にまずは筊(こう)と呼ばれる三日月状の赤い木片を振ることが習わし。
- 筊(こう)を床に落とす
- おみくじ棒を1本引き、 棒に書かれた数字を確認
- 棒に書かれていた数字の箱からおみくじを取り出す
という順序でおみくじを引きます。
1. 願いを込めて筊を振る(チャンスは3回まで)
まず、筊(こう)と呼ばれる三日月形の赤い木片を2つ手に取り、願いを唱えながら振ります。ここでも「名前、生年月日、住所」を告げておくとなお良しです。
筊を床にふって「表と裏が1つずつ」出れば成功です!
筊の表と裏はふくらみで見分けます。ふっくらしている側が表、平になっている側が裏です。
もし「表と表」または「裏と裏」が出た場合は、やり直しとなり、最大3回までチャレンジできます。
3回以内に「表と裏」の組み合わせが出れば、次におみくじ棒を引きます。
2. おみくじ棒を1本引く
筊をふって「表と裏」が出た場合、柄の部分が赤く塗られている細長いおみくじ棒を引きます。
竹製のおみくじ棒の先には、番号が漢字で記されています。その番号を覚えてから棒を元の場所に戻してください。
3. 引き出しからおみくじを取り出す
棒に書かれていた番号の引き出しから、おみくじを取り出します。 おみくじの内容は中国語で書かれています。
週末など日によっては日本語対応のできるスタッフもいるので、おみくじの中身を知りたい方は、日本語スタッフがいないかチェックしてみてください。
恋愛成就!赤い糸を手に入れよう
「結ばれる運命にある男女は赤い糸で繋がっている」という「 運命の赤い糸」を司っている神様が月下老人です。
台北旅行で恋愛のご利益を得たい方は、忘れずに立ち寄っておきたいのが龍山寺の月下老人。
龍山寺の後殿にいる「月下老人」のもとには実際に赤い糸があり、なんと神様にお伺いするれば、赤い糸を持ち帰ることができます!
台湾最強のパワースポットにある赤い糸なので、恋愛成就の力も強力。
赤い糸を手に入れる方法は、おみくじと同じ。筊をふって「表と裏」が出れば、赤い糸を持ち帰ることができます。
筊は「名前、生年月日、住所、そして結ばれたい人の名前、あるいは結ばれたい理想の相手を具体的に条件や容姿など」を唱えてからふってください。
見事に「表と裏」を出して赤い糸を手に入れたら、龍山寺にある香炉のうえを時計回りに3回まわすとご利益アップです。赤い糸は運命の人に出会うその日まで、大切に保管してください。
龍山寺へのアクセス方法
龍山寺へのアクセスは非常に便利で、台北市内から多くの交通手段を利用して簡単に訪れることができます。
もっとも一般的な方法は、MRTを利用することです。龍山寺駅で下車し、出口から直接寺院の正面入り口へと続く道を歩くだけで、数分で到着します。
龍山寺をふくめて、台北市内を効率よく観光したい方には、台湾在住の個人ガイドの利用もおすすめです。
専用チャーター車で台北の必見スポットを効率よく観光することができます。
住所 | 台北市廣州街211号 |
最寄駅 | MRT山寺駅 |
入場料 | 無料 |
営業時間 | 6:00~22:00 |
龍山寺地下の占い横丁もおすすめ!
龍山寺にお参りして、おみくじと赤い糸もいいけれど、「台北旅行では占いを体験したい!」という方も多いと思います。
実は台北が誇る最強のパワースポット龍山寺の地下には、台湾最大の占い街が広がっています。
開運命理街の入口は龍山寺すぐ目の前にあり、MRT龍山寺駅からも直結しています。
風水、手相、姓名判断、タロット、占星術など、あらゆる占いがそろっており、しかも日本語に対応している占いブースも多数ありです。
龍山寺で開運アップした後は、今後の運勢を占ってもらってはいかがでしょうか。
まとめ
龍山寺は台北を観光するなら絶対に訪れたいパワースポット。本記事では龍山寺の歴史から参拝ルート、おみくじを引く方法について詳しくご紹介しました。
龍山寺は台湾が誇る美しい建築と、台湾ローカルならではの雰囲気を感じることのできる場所です。観光で訪れる際は、神聖な雰囲気と文化を体験してみてください。
台湾旅行が初めての方や、龍山寺訪問を含む台北の観光プランに不安がある場合は、BUYMA TRAVELの現地ガイドに相談するのがおすすめです。
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