台湾で注目を集めている基隆(キールン)は、北の玄関口とも呼ばれる台湾のレトロで美しい港町です。
最近は沖縄と台湾・基隆を結ぶ「MSCベリッシマ」クルーズツアーが注目を集めており、基隆の漁港に並ぶカラフルハウスや、基隆港のレトロでノスタルジックな雰囲気が楽しめる街並みがSNSでも大人気です。
黄色い提灯が灯る「基隆廟口夜市」は台湾らしい夜市が楽しめるスポットとしても有名で、地元のB級屋台グルメが楽しめることも注目のポイント!
台湾北部に位置する基隆港は、高雄港と並ぶ重要な貿易拠点として知られ、基隆は台湾観光で大人気の九份まで片道約30分、台北市内まで約40分と、観光人気の都市とのアクセスが良いことも特徴です。
本記事では、台湾クルーズの終点としても注目されている基隆のおすすめ観光スポットについてをご紹介します。
大人気の九份や、ランタン上げで有名な十分へのアクセス方法も合わせてご紹介するので、基隆がどんな街なのか魅力が気になる方はぜひ最後までご覧ください。
基隆廟口夜市(キーロンミャオチャーインスー)
基隆の夜市といえば、台湾北部で最も活気があると言われている「基隆廟口夜市」が有名です。
廟口夜市は約400メートルにわたり数百の屋台が並ぶ夜市で、台北屈指の美食夜市と呼ばれていることが特徴です。
夜市の屋台に繰り出せば台湾の伝統的なグルメはもちろん、新しいスタイルのスナックまで幅広い屋台飯が楽しめます。
屋台のラインナップとしては漁港ということもあり、水揚げされたばかりの新鮮な魚介をメインにした料理が楽しめることがポイント。
深夜まで営業している屋台も多く、テイクアウトの食べ歩きが楽しめることはもちろん、夜市には店内や店先で座って食べるイートインタイプのお店もあります。
夕暮れになると黄色い提灯が夜道を照らすことも特徴の1つです。
台湾レトロを感じる港町らしい雰囲気を楽しみながら、縁日を散策するように廟口夜市の観光が楽しめます。
廟口夜市には数えきれない屋台があるのですが、なかでも100年続く老舗「百年呉家」は連日行列ができるお店として有名です。
魚介と野菜のスープに米粉麺が入った「鼎辺趖(ディンビェンツォ)」が名物料理で、もっちりした麺の味わいを求めて連日多くの観光客が百年呉家に並んでいます。
基隆の台湾ローカルフードといえば鼎辺趖が有名で、ライスヌードルといた味わいが特徴です。B級グルメを楽しみたいという方は、ぜひ忘れずにご賞味ください。
基隆廟口夜市は基隆市の中心部に位置し、アクセスが簡単なこともポイントです。
夜市は明るいうちから観光客で賑わっており、夕方になると地元民はもちろん、国内外からの観光客で夜市はとくに賑わいをみせます。
奠濟宮
奠濟宮は基隆廟口夜市のなかにある歴史ある寺院で、台湾の伝統建築美が特徴の観光スポットです。基隆市区で最も由緒のある寺院とも呼ばれています。
夜市のなかにある寺院なので、入口すぐ近くには夜市の屋台が連なっていることも特徴の1つ。
奠濟宮は街中に収まるように佇んでおり、夜に訪れると夜市雰囲気もあわさりローカル色たっぷりの寺院観光が楽しめます。
1875年に創建された奠濟宮には、唐代の将軍である陳元光(開漳聖王)が祀られています。空爆によって一度は消失し、寺院の正殿は1964年に再建されました。
寺院の建築は豪華で繊細な彫刻で知られ、特に木彫りの細工は見応えはたっぷりです。
奠濟宮の屋根や壁面は、龍や鳳凰などの伝統的な図案で装飾されており、色彩豊かなタイルが使用されています。
黄金が散りばめられた精巧な装飾は豪華絢爛のひとことで、台湾の伝統芸術の深い魅力を感じることも魅力です。
観光時間:07:00-22:00
参拝無料
中正公園
基隆にある中正公園は、基隆港の東側の山丘に位置し、基隆のシンボルである白色の大観音像があることで有名な公園です。
基隆を見守るようにそびえ立つ大観音像の高さは22.5メートルにもおよび、観音像の裏側にまわると内部に登ることまでできます。
五階建てになっている大観音像は、頂上まで登ると基隆全体の景色を一望することもできます。
観音像の両側には、金色に輝く巨大な獅子が鎮座しており、黄金の巨大獅子もまた公園の見どころの1つです。
中正公園内には台湾の英雄たちを祀る忠烈祠や大仏禅寺など、見応えのある寺院もあり。
自然に囲まれた公園は市街地の喧騒から離れた静かな環境なので、観光客だけでなく地元の人々にとっても憩いの場として親しまれています。
壮大な観音像と港町らしい海の見える美しい景観をぜひお楽しみください。
和平島公園
和平島公園は、壮大な海蝕景観が見られることで有名な基隆の北東にあるスポットです。台湾本島から少し離れた和平島にあります。
公園のある和平島は、かつて原住民ケタガラン族の生活していた土地として知られ、軍の管理区域を経て、現在は美しい沿海地域として多くの観光客に開放されています。
和平島公園の最大の特徴は、長年にわたる波の作用によって侵食を受けた海岸で、海岸線に独特な地形が見られること。
公園内もある岩石は、数百万年の時間をかけて自然の力により形成されたもので、奇岩や海蝕洞など、様々な形状を見ることができます。
公園内に整備された全長400メートルの遊歩道を歩けば、豆腐岩やきのこの形をした奇岩をはじめ、海岸線に不思議な形をした岩が点在していることがわかります。
和平島公園のなかでも「千畳敷」と呼ばれる地形は、千畳の畳が敷き詰められたような見た目をしており、かつて日本統治時代に日本人によって名づけられました。
和平島公園の地質は、露出した地層に多くの化石が含まれており、数万年前の生物の痕跡が残っていることも特徴です。
さらに公園内にあるオランダ殖民時代の歴史的遺跡「蕃字洞」も大きな特徴の1つです。
波の侵食によって生まれた海蝕洞窟は、長さ20メートルに及び、洞窟の壁面にはオランダ人が撤退する1668年以前に彫られた文字跡があります。
時間の経過とともに洞窟文字は風化してしまいましたが、かつて人がいたことを伝える歴史的な痕跡はいまも残っています。
和平島公園にあるビジターセンターも見どころで、スペインの占領時代に建設された要塞サン・サルバドル城がモデルになった圧巻の姿は必見です。
和平島は基隆港からは少し距離があるので、アクセスするには基隆駅からバスで行くのが一般的です。
大自然が作り出した独特な海岸線に出会えるのは、和平島公園ならではなので、気になる方はぜひ訪れてみてください。
慶安宮(けいあんぐう)
台湾基隆市に位置する慶安宮は、海の守り神「媽祖」を祀る歴史ある廟です。
1780年に建てられ、慶安宮は基隆で最も古い廟の1つとされています。基隆三大寺院の1つとしても有名です。
台湾では慶安宮だけが「湄洲媽、泉州媽、漳州媽」の三媽祖を同時に祀っていることでも知られています。
慶安宮の見どころであり特徴は、台湾らしいカラフルさと荘厳さを兼ね備えていることです。色とりどりで細かな彫刻が施されており、緻密な彫刻で飾られた三官大帝(天官、地官、水官)と龍が屋根上に鎮座しています。
廟内は煌びやかな黄金で輝いており、天井からは無数の提灯がぶら下がる幻想的な空間になっていることも特徴の1つです。
廟内を歩くと別世界に迷い込んだような神秘的な感覚を楽しむことができます。
慶安宮は廟口夜市からもすぐ近く、夜市の賑わいとともに観光できることもポイントです。
基隆港・海洋広場
奥行約4000メートル、幅約400メートルにおよぶ深い入江が特徴の基隆港。その最奥部に位置する「海洋広場」は、基隆のゆったりとした海辺の空間が楽しめるスポットです。
クルーズ船の寄港地でもあるので、国内外からの旅行者にとっては基隆の玄関口にもあたります。海洋広場は基隆港にあるので、もちろん停泊する大型クルーズ船を間近でみることもできます。
基隆の自然に囲まれた港町の雰囲気がたっぷり楽しめるので、日中はのんびりとした台湾ならではの港町の空気感を楽しむこともオススメです。
海洋広場は広いウッドデッキになっていることも特徴で、港らしい空の広く開放的な空間には「KEELUNG」と書かれた大きな文字オブジェが飾られています。
さらに海と反対側に目を向けると、アメリカのハリウッドサインのように、小高い丘に掲げられた「KEELUNG」という白い文字看板が見えることも特徴の1つです。
基隆のシンボルとしても親しまれる白の文字看板キールンサインは、夜になるとライトアップされることもポイントで、昔ながらの台湾レトロな街並みを見守るように、近代技術でほんのりと輝く文字看板はどこか幻想的な風景でもあります。
日中おだやかな海洋広場は、夜になると散歩スポットとしても地元の人々や観光客に愛されています。
基隆地標公園のKEELUNGサイン
基隆港から見えるKEELUNGサインは、実はすぐ近くまで行くことができます。
KEELUNGサインは、基隆港の西側に見える「虎仔山」にある基隆地標公園に位置しています。
「KEELUNG」の大きな文字が虎仔山の斜面に設置されたのは2006年のこと。
ハリウッドサインをモデルにしたデザインが大きな話題を呼び、今や基隆を代表するシンボルとなっています。
KEELUNGサインは基隆駅から歩いて10〜15分ほどの距離にあります。駅前から続く細い坂道「KEELUNG地標登山歩道」を歩いていくと到着です。
文字のある基隆地標公園からは、基隆の港町全体を一望することができるビュースポットとしても有名です。
夜景の綺麗なスポットとしても有名なので、夜でも多くの観光客が訪れています。
海港大楼
基隆の歴史的建造物としてチェックしておきたいのが「海港大楼」です。
海港大楼は、1934年の日本統治時代に「基隆港合同庁舎」として建設されました。
海港大楼の見どころは、レトロながらにも威厳たっぷりの外観で、ややくすみのある味のある白い建物は、エントランスでゆるやかな曲線を描いており、どこか昭和レトロを感じる佇まいが魅力です。
エントランスを支える円柱、建物に利用されている寸胴なライトなど、外観だけでなく小物にいたるまでレトロを感じられることもポイントです。
建物は当初から税関や穀物・植物検査署など、港湾に関連するさまざまな官公署が集結する総合庁舎として利用されており、現在も関税局として利用されています。
陽明海洋文化芸術館
陽明海洋文化芸術館は、海港大楼とあわせてチェックしたい基隆のレトロスポットの1つです。
海港大楼の向かいに立つ魅力的な施設で、陽明海洋文化芸術館はかつての日本統治時代に建てられた日本郵船の建物を再利用したものです。
歴史的建造物としての価値を活かしたまま、海洋生物や航海技術、港町基隆の歴史に焦点を当てた展示が行われるスポットになっています。
正浜漁港彩色街屋
基隆が誇るSNS映えスポットとして有名なのが、漁港に面してカラフルな建物が並ぶ正浜漁港彩色街屋です。
カラフルハウスのある正浜漁港は、かつて台湾最大級の遠洋漁業基地として栄えた歴史を持つ小さな漁港。
日本統治時代の1934年に建設された港で、漁船の大型化に伴いその役割を徐々に失いましたが、最近では全く新しい理由で注目を集めています。
漁港に面して色とりどりに並ぶカラフルな街屋が、まるでイタリア・ヴェネツィアのブラーノ島のような美しさだとSNSを中心に大きな話題を呼び、台湾のブラーノ島とも称されるほど人気を集めています。
衰退した漁港に並ぶ彩色街屋は、レトロとオシャレが入り混じった光景で、基隆を訪れる観光客にとって必見のスポットとなっています。
基隆駅前からバスで約30分とアクセスも良好で、周囲にはおしゃれなカフェがあることもポイントです。
ユニークな景観を背景に記念撮影を楽しんだり、海辺の風景を眺めながら一息ついたりすることができます。
港の歴史と現代の芸術が見事にあわさった基隆らしい魅力的なスポットです。
阿根納造船廠遺址
正浜漁港彩色街屋を観光するなら、あわせて訪れたいのが阿根納造船廠遺址です。
阿根納造船廠遺址は、インスタグラムなどのSNSで「廃墟美」として話題を読んでいる基隆の観光スポット。
もともとは石炭を貯蔵するための施設として設立され、戦後には造船所として利用されていましたが、現在はコンクリートの構造が残るだけの廃墟となっています。
剥き出しの巨大コンクリートが鎮座する姿は、まるで遺跡のような雰囲気で、廃墟好きにはたまらないスポットになっています。
以前は内部にも立ち入ることができましたが、安全上の理由から現在は立ち入り禁止となっており、外から迫力ある姿を眺めることになります。
基隆の独特で美しい海岸線の景観が魅力の和平島公園や、カラフルな正浜漁港彩色街屋からも近いので、合わせて訪れるのがおすすめです。
九份観光
クルーズツアーを利用しては基隆に向かう方など、基隆と合わせておすすめしたい観光スポットが九份です。
九份はジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルとも言われる古い街並みが魅了で、台湾観光で絶対に行きたい大人気スポット!
レトロな雰囲気の観光を楽しみながら、台湾茶や伝統的な台湾スイーツを楽しむことができます。
基隆から九份まではアクセスが良く、バスなら約1時間、車を利用すれば最短で約30分ほどで行くことができます!
基隆駅前にあるバス停から「788番線」のバスに乗れば、九份まで約1時間ほど。直通乗り換えなしで移動できることも嬉しいポイントです。
バスは九份行きの直行シャトルバスではないので、途中のバス停を経由しながらのんびりした速度で進んでいきます。
時間がかかるとバス移動に1時間30分以上も要することがあり、また夜の九份を観光する場合は帰りのバスが非常に混み合うことが注意点です。
基隆から九份までの行きと帰り道をスムーズに移動したい場合は、送迎車を利用したチャータープランの利用もおすすめです。
基隆から日本語ガイドの送迎車に乗り込み、九份まで最短スケジュールで向かうことができます!
九份の観光とあわせて人気の十分観光にも、チャーター車を利用すれば電車・バスの乗り換えなしに移動できることもポイントです。
十分は天燈とよばれる紙で作られたランタンを飛ばせるアクティビティで有名なスポット。レトロな街並みを楽しみながら、天燈ショップでランタンを買い、願い事を書いて空にむかって飛ばすという、台湾だからできる体験が楽しめます。
基隆から日帰りで九份と十分の観光を考えている方は、ぜひ送迎プランもチェックしてみてください。
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まとめ
基隆は台湾北部の美しい港町で、夜市に歴史的建造物、SNSで話題を読んでいる人気スポット、そして自然の美しさが組み合わさって独特の魅力を持っています。
基隆廟口夜市や奠濟宮などの人気スポットはもちろん、和平島公園から正浜漁港彩色街屋まで、見どころは盛りだくさんです。
基隆は雨のシーズンが多くはありますが、台北からのアクセスもよいので、クルーズ船を利用しなくても、もちろん台北からの日帰り観光もできます。
ぜひ本記事を参考にしながら、基隆観光を楽しんでください。