台湾観光で行きたい大人気の観光スポットといえば、急勾配の坂道を中心に台湾らしいレトロな街並みが広がる九份(きゅうふん)です。
九份は金鉱の街として栄えた歴史ある山間の街で、台北から日帰り観光で楽しめる大人気スポット!
傾斜のある街には石畳の道と歴史を感じる瓦屋根の街が続き、赤いランタンが街を照らす夕暮れから夜にかけての光景は、とくにジブリ映画「千と千尋の神隠し」の世界感によく似ていることでも有名です。
そのため台湾の九份といえば、大人気のジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった場所、というイメージを持っている方も少なくはありません。
本記事では、そんな「千と千尋の神隠し」のモデルになったと噂の九份についてご紹介します。
千と千尋の神隠しに似ているスポットはもちろん、モデルになった噂は本当なのか?についても解説しています。
最後には九份の行き方もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
では、さっそく九份と「千と千尋の神隠し」の噂について確認していきましょう!
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」とは?
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」は、2001年7月20日に公開された宮崎駿監督の長編アニメ映画です。
英語ではSpirited Away、中国語では神隱少女のタイトルで知られ、第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞、2023年米国アカデミー賞では長編アニメーション映画部門賞を受賞と、世界的にも高い人気を誇るアニメ作品です。
近年では海外公演も行っている舞台版「千と千尋の神隠し」も大きな話題を呼んでいます。
「千と千尋の神隠し」のあらすじは以下です。
トンネルのむこうは、不思議の町でした。
10歳の少女「千尋」が両親と共に迷い込んだのは、神々がいる不思議な世界。千尋は元の世界に戻るため、湯婆婆の経営する「油屋」で働くことになるのだが……。
誰も知らない不思議な世界を舞台に、千尋が生きる力を呼び覚ましながら奮闘する物語です。
九份は台湾観光で大人気のレトロタウン!
神々のいる不思議な世界が舞台でもある千と千尋の神隠。そのモデルになった場所は台湾の九份ではないのか?
という噂から世界的に注目を集めているのが、台湾北部にあるノスタルジックな雰囲気が魅力の観光スポット九份です。
かつては金鉱の街として栄え、19世紀末から20世紀初頭のゴールドラッシュ時代には多くの人々で賑わっていました。
しかし、金鉱の閉鎖とともにその活気は失われ、現在では歴史を感じるレトロな街並みが残る場所となっています。
台湾ノスタルジックな雰囲気が楽しめる観光スポットとしても有名で、山間に伸びる細い石畳の道や坂道、伝統的な茶芸館が目を引くなど、独特の景観が九份の特徴です。
日本統治時代の建物が一部残っているなど、歴史と文化が入り混じって現存することも特徴の1つ。
なかでも赤いランタンが灯る夜になると街を照らし、赤い灯火による幻想的な雰囲気が楽しめることも魅力的なポイント。
夜景と提灯の明かりが織りなす九份の光景は、とくに映画「千と千尋の神隠し」の世界そっくりと話題を呼んでいます。
九份は千と千尋の神隠しのモデルではない?デマと噂の真相とは?
結論から述べてしまうと、ジブリ公式は九份を千と千尋の神隠しのモデルとは認めてはいません。
その証拠とばかりに、宮崎駿監督自身が九份モデル説を否定しています。
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に登場する幻想的な「油屋」をはじめ、雰囲気が台湾の九份と似ていると話題になったことから、「モデルになったのでは?」と語られることも多いですが、実際のところは違うようです。
千と千尋の神隠しといえば、湯婆婆が経営する神様が疲れを癒しにくる湯屋こと油屋ですが、九份は温泉地ではありません。
なお赤色が特徴的な「油屋」のデザインは、ジブリ公式によると特定のモデルは存在しないとのこと。
ただ、参考にした場所はいくつかあり、東京都小金井市の「江戸東京たてもの園」に保存されている「子宝湯」は、油屋のモデルとなった銭湯といわれています。他にも、外装デザインには四国の道後温泉に影響を受けているそう。
同じく「江戸東京たてもの園」にある昭和初期時代の文房具店「武居三省堂」は、釜爺の部屋のモデルのとされています。
また、千尋が迷い込む飲食街のデザインは、新橋の烏森口や有楽町のガード下の歓楽街をヒントにして、あの独特の雰囲気を作り上げたそうです。
特定のモデルスポットは存在せず、千と千尋の神隠しの舞台は、日本の銭湯や温泉地をはじめ、様々なロケーションを参考に作りだされました。
なので、台湾の九份は千と千尋の神隠しのモデルという噂はあるのですが、公式としては千と千尋の聖地ではありません。
千と千尋の神隠しそっくり!九份で行きたいスポット
ジブリからは千と千尋のスポットではないと言われていますが、とはいえ世界的には千と千尋の神隠しの場所として知られているのが九份です。
英語の観光情報サイトをはじめ、九份は「Taiwan’s ‘Spirited Away’ city(台湾の千と千尋の神隠しの街)」といった紹介をされることもあり。
千と千尋の神隠しのモデルではないものの、九份に広がる独特な街並みと風景は、ジブリ映画を彷彿とさせる幻想的な世界そのもの。
千と千尋の神隠しのモデルと言われると、つい納得してしまう魅力がたくさん詰まっているのが九份です。
ここでは、まるで千と千尋の神隠しの世界に迷い込んだような気分になれる、千と千尋にそっくりな九份スポットをご紹介したいと思います。
では、千と千尋の神隠しのモデルとの噂が出るくらい、映画の世界感たっぷりのスポットを見ていきましょう!
油屋のモデルと言われる阿妹茶樓
阿妹茶楼(アーメイチャーロウ)は、千と千尋の神隠しの舞台「油屋」のモデルと噂される九份で最も有名な茶芸館です。
九份のシンボルとしても有名なので、九份といえば阿妹茶楼の映る光景が定番です。九份を訪れるなら、間違いなく必ず立ち寄りたいスポットの1つです。
阿妹茶楼は九份老街のメインストリート基山街を抜けた先にあるので、九份では多くの人が阿妹茶楼を目指しながら、九份老街の観光を楽しんでいます。
赤提灯が目を引くお茶屋さん阿妹茶楼は、黒い瓦屋根に重厚感のある三階建ての建物で、周囲に吊るされた赤い提灯や、赤地に黒で書かれた「阿妹茶楼」の文字が独特の雰囲気を演出しています。
じっくり見ると油屋には似ていない気もしますが、幻想的な雰囲気は確かに油屋を連想させるものがあります。日本をあまり知らない観光客なら、モデルと言われると納得してしまうのも頷けるくらい魅力たっぷりです。
阿妹茶楼は老舗の茶芸館なので、もちろん地元産の茶葉を使った本格的な台湾茶を楽しむこともできます。
館内に一歩足を踏み入れると、伝統的な装飾が施された空間が広がっており、細部にまで趣を感じることができます。
阿妹茶楼からの景色も最高で、昼間は青空と山々の美しいコントラストが窓から広がり、夜になると提灯の柔らかな光が街並みを幻想的に彩る景色が楽しめます。とくにテラス席からは九份の絶景を一望できるので観光客に人気です。
そして夜になると幻想的な雰囲気はより深みを増して、千と千尋の世界のような赤い提灯に照らされた幻想的な雰囲気が楽しめます。
豎崎路
豎崎路(シュウチールー)は、九份を代表するフォトジェニックスポットとして有名な急勾配の階段通りです。
石畳の階段がレトロな建物に挟まれながら続く風景は、まさに九份らしい光景で、多くの観光客が写真を撮りに訪れる場所が豎崎路です。
狭い階段の両側にはレトロな飲食店やカフェに茶楼、土産物店が並び、頭上には赤い提灯がぶら下がっている景色は、異世界のような雰囲気たっぷり。
豎崎路の先にある阿妹茶楼に向かって、赤い提灯が連なり、漢字で書かれた看板が突き出した階段道の景色は見応え十分です。
幻想的な景観が続く坂道を抜けているうちに、千と千尋の神隠しの雰囲気を肌で感じられると思います。
階段の上から見下ろす景色には、赤い提灯や石畳が織りなすノスタルジックな雰囲気が漂い、九份の魅力をさらに感じることもできます。
なお、豎崎路は台湾映画「悲情城市」のロケ地としても有名。もともと九份を一躍有名にしたのはこの映画がきっかけとも言われています。
基山街
基山街(ジーシャンジエ)は、九份で最も賑わう長いメインストリートです。
「舊道口」と書かれた入口から続く細い路地に一歩足を踏み入れると、地元ならではの香りが漂い、台湾のレトロな魅力が広がります。
基山街には伝統的な屋台やお土産物店が軒を連ねており、台湾グルメを提供する屋台では、芋圓(ユーユェン)や臭豆腐といった地元の味を楽しむことができます。
食べ歩きデザートとして話題の九份のアイスクレープ「阿珠雪在焼」があるのも基山街です。
基山街は賑わう商店街のようでもあり、寂れたアーケード街のようでもあり、また活気ある市場のようでもある不思議な空気感も魅力の1つ。
狭い路地を抜けるごとにお店の雰囲気が変わり、赤提灯が灯る夜の雰囲気は、まるで異世界に迷い込んだような幻想的な光景です。
とくに暗がりの通りは頭上に輝く赤い提灯と、屋台の連なる光景がノスタルジックな雰囲気たっぷりで、千と千尋の不思議な世界観を思い出す人も少なくはないはず。
雑貨店やお土産屋もたくさん軒を連ねており、九份らしい観光地の雰囲気を楽しめることもポイントです。ショッピングを楽しみながら九份の世界観を満喫できます。
千尋の両親が食べたアレに似ていると話題のB級グルメ肉圓(バーワン)
九份の基山街にある屋台やお店で見かけるB級グルメといえば「肉圓(バーワン)」です。
肉圓はぷるぷるした食感と香ばしい香りが特徴の料理で、九份観光で味わいたいB級グルメの1つ。
ぷるっとした生地に餡を詰めて油で揚げる料理で、特製タレをたっぷり絡めて食べるのですが、独特の風味ともちもち感がたまらない一品になっています。パクチーを添えれば、さらに台湾らしい味わいがアップです。
九份が千と千尋のモデルと言われることもあってか、肉圓は千と千尋の神隠しに登場する「神さまのたべもの」に似ていると噂になっています。
肉圓の形といいプルプルした見た目が、千尋のお父さんが屋台でガツガツ美味しそうに食べていたブヨブヨしたアノ料理を彷彿とさせる、と九份を観光客の間で話題を呼んでいます。
肉圓(バーワン)は九份の定番のグルメの1つなので、気になる方はぜひ味わってみてください。
幻想的な九份の夜景
千と千尋の神隠しの世界感がより色濃くなる旬感は、九份の夕方から夜にかけての時間です。
夕方になると九份老街に並ぶ赤提灯が次々と灯り、街全体が柔らかな光に包まれ、昼間の賑やかさとは一線を画す幻想的な景色が広がります。
石畳の道や急勾配の坂道に赤提灯の光が反射する様子は、まらに九份だから楽しめる風景。細い路地を進むたびに異なる表情を見せる街並みは、まるで異世界を旅しているかのように素敵です。
独特の雰囲気が広がる夜の九份は、千と千尋の神隠しの世界観たっぷりと言われることも多く、九份はとくに夜景の観光が大人気です。
千尋が迷い込んだ不思議な街でも、陽が傾きだんだんと街に光が灯っていくシーンはとくに印象的で、街の雰囲気がそこでガラリと変わってしまいます。
昼と夜で街の雰囲気に違いがでる部分も、千と千尋の世界によく似た九份の魅力の1つです。
赤提灯が灯す柔らかな光に照らされた坂道を歩けば、日常を忘れるようなひとときを味わえます。九份の幻想的な夜を楽しみながら、非日常の世界にぜひ浸ってみてください。
九份は日帰り観光が人気!台北や基隆からアクセス抜群
九份は台湾旅行で人気の台北や基隆から、日帰りで訪れることができる観光地です。
短時間でアクセスできる便利さも、九份が日帰り旅行の定番となっている理由の1つ。ノスタルジックな街並みと幻想的な夜景を旅の楽しみに、毎日多くの観光客が九份を訪れています。
帰りが遅くなると非常に混雑しますが、九份の夜景を楽しんだ後でも、台北や基隆へ戻るバスやタクシーの運行があることも嬉しいポイントです。
王道の観光ルート!台北から九份
台北から九份までは、公共交通機関を利用する方法が一般的なルートです。
台北駅から台湾鉄道で瑞芳駅まで約40分、その後バスやタクシーでさらに15分ほどで九份に到着します。日帰り旅行のスケジュールにぴったりの距離感で、午前中に出発すれば九份をたっぷり楽しむことができます。
もし限られたスケジュールで九份を楽しむなら、ガイドプランの利用もおすすめです。
BUYMA TRAVELのガイドプランなら、現地在住の日本語ガイドが台北発着で九份観光にご案内しています。
車で移動するので、初心者にはハードルが高いバスと電車の乗り換えも不要です。
夜の九份でタクシー待ちやバス待ちをしなくてもいいところも魅力の1つです。
九份の夜はとても混雑するので、帰りが遅くなるとバス、タクシーにすぐ乗車することが難しいです。もちろん満員の車両に乗る必要があるなど、九份は行きよりも帰りが非常に大変です。
また、千と千尋の世界感という意味では大きく異なるのですが、天燈上げが体験できる十分と合わせた観光も、車移動のガイドプランを利用すれば、簡単にスケジュールを組むことができます。
十分は古い鉄道とレトロな台湾の街並みで知られる街で、哀愁のある台湾の街並みを散策しながら、地元のお土産を見て回ったり、地元のローカル料理を楽しんだりすることができます。
そんな十分は、古いローカル線路の上から、空に向かってランタン飛ばしが体験できることが大きな特徴です。
十分老街には様々な色とサイズのランタン(天燈)が売られており、購入したランタンに願い事を書いて空に放つことができます。
九份の雰囲気が好きなら、地元らしいローカルな空気感がたっぷり詰まった十分も楽しめるはずなので、ぜひ合わせて確認してみてください。
\九份ガイドプランを確認/
基隆から九份
基隆(キールン)からも日帰りでの九份までアクセスが可能です。バス・タクシーを利用すれば約30分程度で九份に到着します。
もし基隆港にクルーズ船で訪れ、到着すぐに九份と十分を観光したい場合は、ガイドプランの利用もおすすめのルートです。
基隆港にクルーズ船が到着するタイミングにあわせて、ガイドが車でピックアップに訪れるので、バスやタクシーの乗り継ぎもいらず、基隆から九份と十分に観光することができます。
\基隆港から九份プランを確認/
もちろん基隆から九份まで日帰りでの観光が楽しめるので、基隆拠点で観光方法をお探しの方はあわせてご参考ください。
まとめ
台湾の九份はノスタルジックな街並みから「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせると言われるスポットです。
ジブリ公式からモデルにしたという言及はないものの、赤い提灯が並ぶ狭い路地や古風な建物は、映画の世界を散策すような魅力が詰まっています。
台湾旅行の際は、そんな九份の魅力をぜひ実際に体験してみてください。