世界遺産モンサンミッシェルの魅力!その歴史から行き方まで徹底解説

モンサンミッシェル

フランス北西部、ノルマンディー地方にそびえるモンサンミッシェル。美しい島とその修道院は、「西洋の驚異」と称される世界遺産であり、一生に一度は訪れたい憧れの観光地です。

干潮時には陸続きとなり、大潮時には島全体が海に浮かぶ幻想的な光景を楽しめます。その歴史は8世紀にさかのぼり、中世の巡礼地として栄えました。現在でも修道院を中心に石畳の小道や可愛らしいお店が並び、訪れる人々を魅了しています。大自然と歴史が織りなす絶景をぜひその目でお確かめください。

それでは早速、モンサンミッシェルについてご紹介していきます。

モンサンミッシェルの歴史

モンサンミッシェルとは

モンサンミッシェルは、フランスのブルターニュ地方の場所に建つ修道院です。フランス語 モンサンミッシェルの名称は、「聖ミカエルの山」という意味で、大天使の一人ミカエルから由来しています。

大天使聖ミカエル
モンサンミッシェルのトップに立つ大天使聖ミカエル

モンサンミッシェルが世界中に知られる理由の一つは、塩の満ち引きにより、風景は代わり、海に水が多い時は、海の中に島が浮かんでいるような風景にもなりとても幻想的なモンサンミッシェルを見ることもできます。モンサンミッシェル湾はヨーロッパ最大規模の干満の差で知られています。

モンサンミッシェルの歴史と世界遺産になるまで

モンサンミッシェルは、8世紀、今から1000年以上前の966年にノルマンディー侯爵がベネディクト会の修道院を岩の上に建設し、最初の建物が建設されたと言われています。

モンサンミッシェルは、クーズノン川河口の東にある花崗岩の小島で、709年以降、大天使聖ミカエルを祀る聖域が築かれました。それ以前は「モン・トンベ」と呼ばれており、中世を通じてこの岩はフランス語で「Mont Saint-Michel au péril de la mer」と呼ばれていました。

岩山はコミューン(地方自治体の最小単位)のごく一部で、堤防や数十ヘクタールの沼地にも広がり、岩山の大部分はモンサンミッシェル修道院とその領地に覆われています。

867年、コンピエーニュ条約(第一次世界大戦時のドイツと連合国との休戦協定)でコタンタン地域とアヴランシンをブルターニュに割当て、アヴランシンとコタンタンは、911年のノルマン人の入植時にロロンに与えられた領土には含まれず、モンサンミッシェルは暫定的にブルトン領のままでありましたが、ルーアン大司教区の一部であるアヴランシュ教区に属していました。

933年にノルマンディー公ウィリアム1世がアヴランシュ地方を奪還した際もこの状態が続き、国境は一時的にモンサンミシェルの東を流れる沿岸の川、セリューヌ川に固定されました。

​​数十年後の1009年、アヴランシャン(ひいてはノルマンディー)の南の境界線は、クーズノン川に移されました。クーズノン川は沿岸の川で、その河口が何世紀にもわたってノルマンディーとブルターニュの公式な境界線となります(地形的に固定された境界線に取って代わられるずっと前のこと)。

この時代の歴史と伝説は曖昧であり、当時の文献には、モンサンミシェルの運命(クーズノン川との位置関係)については明記されていませんが、ノルマンディーへの帰属はその数十年後に証明されており、1204年4月にギー・ド・トゥアールがモンサンミシェルに火を放ったときには、すでにその効力を発揮していました。

12世紀初頭、フランス王フィリップ・オーギュストはノルマンディーを併合しました。国王の同盟国であったギィ・ド・トゥアール率いるブルト人は、軍隊を編成してモンサンミッシェルを攻撃し、村人を殺害してモンに火を放ちました。この悲劇的なエピソードを埋め合わせるため、フィリップ・アウグストゥスは、不思議な修道院の建設に資金を提供しました。

3階建ての建物の2棟からなり、1228年に完成した回廊と食堂が見渡せます。困難な地形に建てられたこの建物は、修道院の宝であり、当時の建築家たちの才能の証でもあるのです。

そしてモンサンミッシェルはノルマンディー公国の拠点となり、また重要な通過点となりました。その戦略的、象徴的な重要性から、14世紀にフランス軍とイングランド軍が戦う百年戦争が始まった際には要塞化する必要があり、7つの塔と3つの門を備えた強力な城壁が築かれました。

1415年、イングランド軍がアザンクールでフランス軍を壊滅させ、ノルマンディー地方を併合したとき、彼らはモン(岩山)を奪おうとしたが失敗しました。この勝利はモン(岩山)の伝説をさらに高め、巡礼者たちは王国の守護者となった大天使サンミシェルに敬意を表するために集まりました。

しかし、モン(岩山)はこれらの攻撃から無傷ではいられなくなり、1421年、ロマネスク様式の聖歌隊が崩壊しました。中世の終わりには、華やかなゴシック様式の聖歌隊に取って代わられました。

ルイ11世の時代、修道院は顕彰制度(けんしょうせいど)の下に置かれ、新しい修道院長はもはや修道士によって任命されるのではなく、国王自身によって任命されることになりました。モン(岩山)での修道活動が復活したのは、1622年にサンモール修道会からベネディクト会の修道士が来てからです。

この改革にもかかわらず、また建物のメンテナンスが不十分であり、フランス国王はモンサンミシェルを牢獄として使用し「海のバスティーユ」と呼ばれるようになりました。

城壁
モンサンミッシェル城壁の様子

最後のベネディクト会は1791年にモンサンミシェルを去り、革命によって教会の財産はすべて「国有財産」とされました。「モン・リーブル」として知られるコミューン(地方自治体の最小単位)となったモンサンミッシェルは、屈折した司祭の収容所として、そして刑務所として使用されました。

牢獄が閉鎖されたのは1863年のことで、モンサンミシェルは、特に1776年と1834年に修道院の教会で起こった数度の火災の後、荒廃の一途をたどっていきました。

フランス革命によって修道院が解散された後、1863年までの間、この地は監獄として利用されるようになり、荒廃が進みました。しかし1865年に修道院としての機能が復活し、再び巡礼者が訪れる地となりました。さらに1879年には歴史的建造物に指定され、大規模な修復が開始されました。

そして1979年、モンサンミッシェルはフランスを代表するユネスコ世界遺産の一つとして正式に登録され、現在に至るまで多くの人々に愛されています。

巡礼者の数が増えるにつれ、もともとの教会は小さすぎて収容できなくなり、11世紀の建築家たちは、岩山の先端を囲むように4つの地下聖堂を作り、その上に大きな修道院教会を建てるという、まさに建築上の偉業を成し遂げました。

708年、アヴランシュの聖オベール司教の夢に大天使ミカエルが現れ、自身の名を冠した聖堂をモンサンミッシェルの頂に建設するよう指示したと伝えられています。その後、966年にはベネディクト会の共同体がこの地に定住し、最初の教会を建設しました。この教会の建設と同時に、巡礼者を迎えるための市場町が教会の下に形成され、発展が始まりました。

13世紀には、ノルマンディー征服に伴うフランス王フィリップ・オーギュストからの寄進により、ゴシック様式の素晴らしい建築が可能となりました。これは2つの3階建ての建物からなり、回廊と修道士たちの食堂がその頂点にあります。

モンサンミッシェルの場所

北緯48度38分10秒、西経1度30分40秒に位置するモンサンミッシェルは、イギリス海峡に面したモンサンミッシェル湾にあります。この小島は、周囲約960メートル、海抜92メートル、面積約7ヘクタールの花崗岩の露頭で、その上に修道院が建設され、この小島は大きな砂の平原から突き出ています。

モンサンミッシェルは、フランス西海岸、サンマロ湾上に浮かぶ小島、及びその上にそびえる修道院です。ノルマンディー地域圏マンシュ県 ル・モンサンミシェルに属しています。「モンサンミシェル」とも表記します。

モンサンミッシェルの見どころ観光スポット

モンサンミッシェル修道院/Mont-Saint-Michel Abbey

修道院回廊
モンサンミッシェル修道院回廊

1874年には、モンサンミシェル修道院が歴史的建造物に指定され、1979年にはユネスコの世界文化遺産にも指定されました。モンサンミッシェル修道院のその神秘的で象徴的な存在感は今も健在です。

モンサンミッシェル修道院は島の最上部に位置し、世界遺産「モンサンミッシェルとその湾」を構成する主要な建築物の一つです。修道院へは、モンサンミッシェルの中心を貫くグランド・リュ(大通り)を進んでください。

営業期間9/1〜4/30 9:30〜18:00 (最終入場17時)
5/1〜8/31 9:00〜19:00 (最終入場18時)
定休日年中無休 (12/25、1/1、5/1日を除く)
料金大人 : 13ユーロ
子供(7〜17歳) : 6ユーロ
7歳以下 : 無料
オーディオガイド5ユーロ(約45分〜1時間30分)
英語、日本語可能
チケット購入事前予約をオススメします。
※休日・夏休みは長蛇の列になり、チケットの購入が困難になります。
公式サイト
Centre Des Monuments Nationaux(フランス文化財センター) チケット購入ページ

モンサンミッシェル修道院のチケットの予約をご希望の場合は、予約代行サービスがございます。ぜひご利用ください。

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グランド・リュ/Grande Rue

モンサンミッシェルのメインストリート。細い道脇にはレストランやお土産ショップがずらりと立ち並ぶメインストリートです。夏休みの期間には、歩くことが困難になるぐらいの混み具合になります。

サンピエール教会/Église Saint-Pierre du Mont-Saint-Michel

カトリック教会で、14世紀、15世紀、17世紀に建てられました。19世紀末からは、教区教会と聖ミカエル信仰の巡礼聖地という2つの役割を担っています。

お土産屋さんやレストランが並ぶモンサンミッシェルのメインストリートである「グラン・リュ」沿いにあります。入口にはジャンヌダルクの像がございますので、すぐにわかります。

営業期間9:00〜22:00
ミサの時間こちらのページをご確認ください
定休日なし(年中無休)
料金無料

モンサンミッシェルで食べたい「ラ メール プラール」のオムレツ

モンサンミッシェルグルメとして有名になったオムレツですが、その歴史は、1888年にアネット&ヴィクトール・プラール夫妻がモンサンミッシェルに有名な宿を開いたことから始まりました。

アネット・プーラールは、巡礼者、観光客、当時の著名人のために食事を用意することに生涯を捧げました。そのアネットの得意料理が、130年間もの間レシピが秘密にされてきた、放し飼い卵を使ったスフレ・オムレツでした。

アネットは尊敬され、愛されるフランス人シェフとなり、40年近い長いキャリアの中で、大きな暖炉の炎で焼く有名なオムレツをはじめ、多くのレシピを開発しました。彼女の才能、優しさ、天性の寛大さ、伝説的なおもてなしは、彼女をフランス料理伝統の象徴に伸し上げました。

オムレツは、滑らかな黄色の表面が特徴で、卵が固まる前に素早く混ぜて空気を含ませることで、ふんわりとした軽い食感を生み出しています。白身をしっかりと泡立て、その後黄身を少しずつ加えながら丁寧に混ぜ、強火で焼き上げます。

さらに、ラ メール プラールのオムレツの特徴的な風味は、まきの火を使って焼くことで生まれる独自の香ばしさにあります。

レストラン名ラ メール プラール/La Mère Poulard
住所Grande Rue, 50170 Le Mont-Saint-Michel
営業時間11:30〜14:30、18:30 〜 22:00(20:30まで入店)
※​​予約なしでも入店可能です
14:30 〜 17:00
※この時間帯は夏休みなど特別な日のみの営業のため、問い合わせが必要です
定休日なし(年中無休)
料金38〜58ユーロ

モンサンミッシェルおすすめグルメ

オムレツ以外にも、モンサンミッシェルにはおいしいグルメがあります。 次に、おすすめのグルメを紹介します。

ラ フェルム サンミッシェル/La Ferme Saint-Michel

フランス料理店ラ フェルム サンミッシェルは、agneau de pré-salé(アニオーデゥプレサレ)と呼ばれる仔羊の肉料理を提供しているレストランで、それが実に美味しいのです。レストランの場所は、モンサンミッシェルからちょっと離れていて、シャトルバスの始発駅のすぐ近くになります。

放牧されている羊

モンサンミッシェル周辺は海藻や草が豊富に生えており、放牧されている羊たちはそれらを主に食べています。この環境で育った羊のお肉は、自然に海の塩分やミネラルが含まれているため、塩を加えなくてもほんのりと塩味が感じられるのが特徴です。また、臭みが少なく柔らかい食感で、上品な香りと深い旨味が楽しめる最高級の品質を誇ります。

この地域特有の羊肉は生産量が限られており、パリではほとんど味わうことができません。モンサンミッシェルを訪れたらぜひ立ち寄りたいレストランです。

レストラン名ラ フェルム サンミッシェル/La Ferme Saint-Michel
住所Le Bas Pays, 50170 Le Mont-Saint-Michel
営業時間​​11:30 〜 21:30
定休日なし(年中無休)
料金メイン agneau de pré-salé(アニオーデゥプレサレ) 30〜42ユーロ

ラ シレーヌ/La Sirene

ラ シレーヌはクレープが美味しいレストラン。メインストリート(グランド・リュ) を入って進むと、左手側に人魚の看板があるお土産屋さんの2階になります。

店内は狭いためいつも混んでいますが、料理はお手頃な価格です。ガレット(蕎麦粉のクレープ)やクレープを食べる事ができます。

このレストランもですが、モンサンミッシェルのレストランは冬季期間中は休業しているところも多いので、事前に必ず確認してくださいね。

レストラン名ラ シレーヌ/La Sirene
住所Grande Rue, 50170 Le Mont-Saint-Michel
営業時間11:45 〜 15:30
定休日木、金曜日
※冬季は休業しています
料金10〜20ユーロ

モンサンミッシェルへ行く時の注意点

モンサンミッシェルに行く際には、天気予報をご確認の上、風が強い日が多いので、防寒具(風を通さない服)や 帽子(飛ばされないようゴムや紐付き)や スカーフを巻くなど、身体や頭が寒くないよう気をつけて頂くことが重要です。

またモンサンモッシェルには、湾の反対側から15キロほどの干潟を歩く現地ツアーがあり、モンサンミッシェルを目掛けて裸足で歩くことができます。遠くに見えるモンサンミッシェルを目指して海の中を歩くのは、ロマンがあります。
海の潮の満ち引きにより、海に水がないときにツアーが可能です。

モンサンミッシェル干潟を歩く現地ツアー
モンサンミッシェル干潟を歩く現地ツアー

モンサンミッシェル周辺の海域には、場所によって底なし沼のような危険な箇所が存在します。そのため、個人で干潟を歩くのは非常に危険で、命に関わる可能性があります。必ず専門知識を持つガイドと一緒に、干潟を歩くツアーに参加するようにしてください。

※ 底なし沼や流砂は、砂などの固体粒子と水が混ざり合った状態です。砂の上を歩くと、体重によって粒子の隙間から水が押し出され、その結果、泥が固体のように振る舞い、抜け出しにくくなるという現象が起こります。

パリからモンサンミッシェルへの行き方

公共交通機関を使用してパリ→レンヌ→モンサンミッシェルまで向かう方法は以下の通り。
※時間は一例です。また、移動時間も状況により変わることがございます。大まかな移動スケジュールの例になりますので、ご了承ください。

パリ モンパルナス Montparnasse 8:37発 電車

レンヌ Rennes 10:25着

無料シャトルバス乗車
↓約1時間
モンサンミッシェル

所要時間:約3時間

モンサンミッシェル観光はツアーが便利

BUYMA TRAVEL

モンサンミッシェルまでは、パリから日帰りで行くことができますが、先の公共交通機関利用ですと時間の調整もしなくてはならず、なかなか大変です。

そこでご紹介するのは、BUYMA TRAVEL が提供するお客様専用のプライベートツアーです。プライベートツアーだとこんなにメリットがあります。

  • 希望の場所や時間をリクエストして自由に行動できる
  • ツアー中の場所や時間の変更ももちろん相談可能
  • 日本語ドライバーが宿泊ホテルまでお迎えしてモンサンミッシェルの目の前まで送迎
  • 帰りももちろん宿泊ホテルまでお送りします
  • 行きたいレストランがあれば事前予約の代行も行います

歩くのが大変なお客様やお時間を有効に使いたいお客様にはお勧めです。プライベートタクシーの中でもゆっくり快適にお過ごしいただけます。

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まとめ

モンサンミッシェルは長い歴史があり、その長い歴史のなかで蓄えられた荘厳かつ迫力あるその姿は一度は見てみたいですね。歴史だけでなく、魅力的なグルメもたくさんありました。

公共交通機関の利用ですとハードルが高くなりますが、代わりご紹介したツアーなどを上手に活用して、身軽にモンサンミッシェルの魅力を存分に堪能してくださいね。

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